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【CVE-2025-0678】grub2のsquash4モジュールに整数オーバーフロー脆弱性、セキュアブート保護のバイパスの可能性

text: XEXEQ編集部
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)


記事の要約

  • grub2のsquash4モジュールにバッファオーバーフローの脆弱性
  • 悪意のあるファイルシステムによりヒープオーバーフローが発生
  • セキュアブート保護のバイパスにつながる可能性

grub2のsquash4モジュールに重大な整数オーバーフロー脆弱性が判明

Red Hat社は2025年3月3日、grub2のsquash4ファイルシステムモジュールに整数オーバーフローの脆弱性を発見したことを公開した。この脆弱性はCVE-2025-0678として識別されており、ファイルシステムのジオメトリパラメータを使用した内部バッファサイズの計算時に適切なチェックが行われていないことが原因とされている。[1]

脆弱性の影響を受けるバージョンは0から2.12までのgrub2であり、悪意を持って細工されたファイルシステムによってバッファサイズ計算にオーバーフローが発生する可能性がある。この問題により、grub_malloc()操作が想定よりも小さいサイズで実行され、データ読み取り時にヒープベースのバッファオーバーフローが引き起こされる危険性が存在している。

この脆弱性のCVSSスコアは6.4(中程度)と評価されているが、grubの重要な内部データの破壊やセキュアブート保護のバイパスにつながる可能性があるため、影響を受けるバージョンを使用している場合は早急な対応が推奨される。Red Hat Enterprise Linux 7以外のバージョンは影響を受けないことが確認されている。

grub2の脆弱性情報まとめ

項目 詳細
脆弱性ID CVE-2025-0678
影響を受けるバージョン grub2 0~2.12
CVSSスコア 6.4(MEDIUM)
影響を受ける製品 Red Hat Enterprise Linux 7
脆弱性の種類 整数オーバーフロー、ヒープベースのバッファオーバーフロー

整数オーバーフローについて

整数オーバーフローとは、コンピュータプログラムにおいて整数型変数が表現できる最大値を超えてしまう現象のことを指す。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。

  • 変数の上限値を超えた際に予期せぬ値になる
  • メモリ破壊やバッファオーバーフローの原因となる
  • セキュリティ上の重大な脆弱性につながる可能性がある

grub2の脆弱性では、squash4ファイルシステムのジオメトリパラメータを使用した内部バッファサイズの計算時に整数オーバーフローが発生する。この問題により、メモリ割り当てサイズが意図したものより小さくなり、結果としてヒープベースのバッファオーバーフローが引き起こされる危険性がある。

grub2の脆弱性に関する考察

grub2の整数オーバーフロー脆弱性は、ブートローダーという重要なコンポーネントに影響を与える深刻な問題として捉える必要がある。特にセキュアブート保護のバイパスにつながる可能性があることから、システムの信頼性と完全性を損なう危険性が高く、対象システムの管理者は早急なアップデートを検討すべきだろう。

このような低レベルのソフトウェアコンポーネントにおける脆弱性は、整数オーバーフローチェックの重要性を改めて浮き彫りにしている。開発者はバッファサイズの計算において、より厳密な値の検証とエラーハンドリングを実装する必要があるだろう。セキュリティ研究者と開発者の継続的な協力により、同様の脆弱性の早期発見と修正が期待される。

今後はgrub2に限らず、ブートローダーやファームウェアレベルのセキュリティ強化がより重要になると考えられる。特にファイルシステム処理に関連する部分は、攻撃者による悪用の可能性が高いため、徹底的なセキュリティレビューとテストが必要になるだろう。オープンソースコミュニティ全体でのセキュリティ意識の向上と、脆弱性対策の強化が望まれる。

参考サイト

  1. ^ CVE. 「CVE: Common Vulnerabilities and Exposures」. https://www.cve.org/CVERecord?id=CVE-2025-0678, (参照 25-03-14).
  2. Red Hat. https://www.redhat.com/ja

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