欧州でRISC-V採用の次世代スパコン開発プロジェクトDAREが始動、38パートナーが参画し完全欧州製を目指す
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記事の要約
- 欧州製スパコン開発プロジェクト「DARE」の開始を発表
- RISC-Vエコシステムとチップレット技術を活用
- 38の主要パートナーが参加し2億4,000万ユーロを投資
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欧州のデジタル自律性を目指すスパコン開発プロジェクト「DARE」が始動
EuroHPC Joint Undertakingは次世代の欧州製スーパーコンピューティング技術の開発を目指すプロジェクト「DARE」を2025年3月6日に発表した。Barcelona Supercomputing Centerを中心とした38の主要パートナーが参加し、オープンなRISC-Vエコシステムと最新のチップレット技術を活用して真の欧州製スパコンの開発に取り組んでいく。[1]
プロジェクトの第1段階となる3年間では、RISC-Vベースの次世代高性能プロセッサの設計開発に2億4,000万ユーロを投じる計画だ。科学計算向けのベクトルアクセラレータ、AI向けのプロセッシングユニット、HPC向けの汎用プロセッサなど3種類のチップレットを開発し、高い効率性と拡張性を実現していく。
欧州のデジタル主権確保を目指すDAREプロジェクトでは、セキュリティや経済的安定性、技術的競争力の観点から欧州以外のハードウェア・ソフトウェアへの依存度を下げることを重視している。完全欧州製のHPCおよびAIスタックを構築することで、将来的な欧州のスーパーコンピューティング技術の自律性確保を目指すのである。
DAREプロジェクトの主要開発項目
項目 | 詳細 |
---|---|
開発期間 | 第1段階は3年間(6年間プロジェクトの前半) |
開発予算 | 2億4,000万ユーロ |
開発チップレット | ベクトルアクセラレータ、AIプロセッシングユニット、汎用プロセッサ |
主要パートナー | Barcelona Supercomputing Center、Openchip、Axelera AI、Codasip |
技術要素 | RISC-Vエコシステム、チップレット技術、最新CMOS技術 |
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RISC-Vエコシステムについて
RISC-Vは、オープンソースの命令セットアーキテクチャ(ISA)であり、プロセッサの設計や実装を自由に行うことができる技術規格のことを指す。主な特徴として以下のような点が挙げられる。
- オープンなライセンスで誰でも無償で利用可能
- モジュール化された設計で柔軟なカスタマイズが可能
- 商用利用に制限がなく独自実装が容易
DAREプロジェクトではRISC-Vの特徴を活かし、欧州独自のプロセッサ開発を進めることが可能となる。このエコシステムを活用することで、従来のx86やARMアーキテクチャへの依存から脱却し、欧州の技術的自律性を確保することができるのだ。
欧州製スパコン開発プロジェクトDAREに関する考察
DAREプロジェクトが採用するRISC-Vエコシステムとチップレット技術の組み合わせは、従来の単一チップ設計の限界を超える可能性を秘めている。特にチップレット技術による柔軟な拡張性は、将来的なスパコンの性能向上やカスタマイズに大きな利点をもたらすことが期待できるだろう。
一方で、完全欧州製のハードウェア・ソフトウェアスタック構築には多くの技術的課題が存在する。特に既存のソフトウェアエコシステムとの互換性維持や、性能最適化には相当な開発リソースと時間が必要となることが予想されるのだ。
長期的な視点では、このプロジェクトの成功が欧州のデジタル主権確保に重要な一歩となる。特に自律的な技術開発能力の獲得は、将来的な国際競争力の維持・向上に不可欠であり、他地域との技術格差を埋める取り組みとしても注目に値するだろう。
参考サイト
- ^ dare-lab. 「Europe Takes a Major Step Towards Digital Autonomy in HPC and AI with the Launch of DARE SGA1 Project - dare-lab」. https://dare-riscv.eu/launch-of-dare-sga1-project/, (参照 25-03-14).
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