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【CVE-2025-29650】TP-Link M7200にSQL Injection脆弱性、認証バイパスの可能性が浮上

text: XEXEQ編集部
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)


記事の要約

  • TP-Link M7200 4G LTE Mobile Wi-FiルーターにSQL Injection脆弱性
  • CVE-2025-29650として報告された認証なしでの攻撃可能な脆弱性
  • CVSS v3.1スコア6.3のミディアムリスク脆弱性

TP-Link M7200のSQL Injection脆弱性

MITREは2025年4月16日、TP-Link M7200 4G LTE Mobile Wi-Fi RouterのFirmware Version 1.0.7 Build 180127 Rel.55998nにSQL Injection脆弱性が存在することを公開した。未認証の攻撃者がユーザー名とパスワードフィールドを介して悪意のあるSQLステートメントを注入できる脆弱性が発見されており、【CVE-2025-29650】として報告されている。[1]

この脆弱性はCVSS v3.1で基本スコア6.3のミディアムリスクと評価されており、攻撃元区分はネットワーク経由でアクセス可能となっている。攻撃の複雑さは低く設定されており、特権レベルは必要とされるものの、ユーザーの操作を必要としない攻撃が可能であることが報告されている。

なお本脆弱性については、サプライヤーが提供するエミュレータ上でのみ再現可能であり、機能テストを容易にするためにアクセス制御が意図的に無効化された環境でしか発生しないという点で議論が行われている。CISAによってSSVCとKEVの評価も実施されており、脆弱性の影響範囲について詳細な分析が進められている。

SQL Injection脆弱性の詳細情報

項目 詳細
対象機器 TP-Link M7200 4G LTE Mobile Wi-Fi Router
ファームウェアバージョン Version 1.0.7 Build 180127 Rel.55998n
脆弱性ID CVE-2025-29650
CVSSスコア 6.3(ミディアム)
攻撃条件 ネットワークアクセス可能、認証不要
CWE分類 CWE-89: SQL Injection

SQL Injectionについて

SQL Injectionとは、アプリケーションのデータベースに対して不正なSQLコマンドを挿入・実行する攻撃手法のことを指す。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。

  • 入力値の検証が不十分な箇所を悪用してデータベースを操作
  • データの閲覧、改ざん、削除などの不正操作が可能
  • 認証回避やシステム管理者権限の奪取にも悪用される

SQL Injectionはデータベースを使用するWebアプリケーションにおいて最も一般的な攻撃手法の一つとなっている。CWE-89として分類されるこの脆弱性は、入力値のサニタイズ処理や適切なパラメータ化クエリの使用によって防ぐことが可能であり、セキュリティ対策の基本として重要視されている。

TP-Link M7200の脆弱性に関する考察

TP-Link M7200の脆弱性は、エミュレータ環境でのみ再現可能という特殊な状況下で発見されたものではあるが、モバイルルーターのセキュリティ設計における重要な課題を提起している。特に認証機能のバイパスが可能となる脆弱性は、実環境での悪用リスクが低いとされていても、製品設計段階でのセキュリティレビューの重要性を再認識させる機会となっている。

今後はファームウェア開発プロセスにおいて、テスト環境と実環境の差異に起因するセキュリティリスクの評価方法の確立が求められる。特にモバイルルーターのような重要なネットワーク機器では、エミュレータ環境と実機での動作の違いを明確に把握し、脆弱性の影響範囲を正確に評価できる体制の構築が望まれる。

また、サプライヤーとメーカー間でのセキュリティ情報の共有体制の強化も重要な課題となっている。テスト環境特有の設定が脆弱性スキャンの結果に与える影響を考慮し、より実環境に即した脆弱性評価手法の確立が期待される。

参考サイト

  1. ^ CVE. 「CVE-2025-29650」. https://www.cve.org/CVERecord?id=CVE-2025-29650, (参照 25-05-01).
  2. 1251

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