ヤマハがインドで日本型音楽教育を展開、IGSの「Ai GROW」で非認知能力を測定し教育効果を検証

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

PR TIMES より

記事の要約

IGSの「Ai GROW」がインドの音楽教育に導入
ヤマハの初等音楽教育支援事業で非認知能力を測定
日本型音楽教育の有効性検証と教育の質向上を目指す

IGSの「Ai GROW」がヤマハのインド音楽教育事業に導入開始

Institution for a Global Society株式会社（IGS）は、ヤマハ株式会社によるインドでの初等音楽教育支援事業において、子ども向け非認知能力可視化ツール「Ai GROW」の導入が開始されたことを発表した。この取り組みは、コロンビアに続く展開であり、日本型音楽教育が児童の非認知能力育成にどのような効果をもたらすかを検証するものだ。^[1]

ヤマハは2023年4月からデリー州の公立小学校10校でリコーダーを使った日本型音楽教育のパイロット授業を実施している。授業では「器楽」をメインに「歌唱・鑑賞・音楽づくり」も併せて行い、協働活動や探究活動を取り入れることで「主体的・対話的で深い学び」を実践している。

「Ai GROW」を用いた非認知能力の測定は、2024年7月から12月までの授業期間の事前・事後で行われる予定だ。この活動を通じて、日本型音楽教育の有効性の検証、エビデンスの収集、そしてインドの公立小学校における教育の質の向上を目指している。この取り組みは文部科学省の「EDU-Portニッポン」応援プロジェクトにも選ばれている。

ヤマハのインド音楽教育事業の概要

項目	詳細
実施場所	インド・デリー州の公立小学校10校
開始時期	2023年4月
主な教育内容	リコーダーを使用した日本型音楽教育
教育分野	器楽（メイン）、歌唱、鑑賞、音楽づくり
特徴	協働活動、探究活動を取り入れた「主体的・対話的で深い学び」
測定ツール	IGSの「Ai GROW」
測定期間	2024年7月〜12月（事前・事後）

非認知能力について

非認知能力とは、IQテストなどで測定される認知能力とは異なる、人間の社会性や感情に関わる能力のことを指しており、主な特徴として以下のような点が挙げられる。

自制心、協調性、粘り強さなどの個人的特性を含む
学業成績や職業上の成功に大きな影響を与える
幼少期からの教育や経験を通じて育成可能

ヤマハの日本型音楽教育がインドの児童の非認知能力にどのような影響を与えるかを「Ai GROW」で測定することで、音楽教育の新たな価値を見出そうとしている。この取り組みは、単なる技能習得にとどまらない、音楽教育の多面的な効果を科学的に検証する試みとして注目されている。

ヤマハの日本型音楽教育のインド展開に関する考察

ヤマハの日本型音楽教育のインド展開は、グローバル化する教育市場において日本の教育手法の価値を示す重要な取り組みだ。特に、非認知能力の育成に着目している点は、21世紀型スキルの重要性が増す中で時宜を得たアプローチと言える。しかし、文化的背景や教育システムの違いから、日本の教育手法をそのまま適用することには課題があるかもしれない。

この課題に対しては、現地の教育者との密接な協力や、インドの文化に根ざした音楽要素の取り入れなどが解決策として考えられる。また、今後はリコーダー以外の楽器や、テクノロジーを活用した音楽教育プログラムの導入も期待したい。音楽教育を通じた非認知能力の育成が、インドの子どもたちの総合的な成長にどのような影響を与えるか、長期的な視点での検証も必要だろう。

さらに、この取り組みが成功すれば、音楽教育の価値を定量的に示すモデルケースとなり、他の新興国への展開や、日本国内の音楽教育の再評価にもつながる可能性がある。ヤマハとIGSの協働が、教育のグローバル化と質の向上にどのような貢献をもたらすか、今後の展開が注目される。

参考サイト

^ PR TIMES. 「ヤマハのインドへの日本型音楽教育導入に関する事業で、IGSの子ども向け非認知能力可視化ツール「Ai GROW」が導入開始 | Institution for a Global Society 株式会社のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000062.000054457.html, (参照 24-08-29).

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