【CVE-2024-7867】Xpdf4.05以前に整数オーバーフロー脆弱性、サービス運用妨害のリスクが浮上

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

Xpdfに整数オーバーフローの脆弱性
CVE-2024-7867として識別される問題
サービス運用妨害の可能性あり

Xpdfの脆弱性によりサービス運用妨害のリスクが浮上

Glyph & Cog, LLCは、PDFビューアソフトウェアXpdfにおいて、整数オーバーフローおよびゼロ除算に関する脆弱性が発見されたことを公表した。この脆弱性はCVE-2024-7867として識別され、Xpdf 4.05およびそれ以前のバージョンに影響を与える可能性がある。CVSS v3による深刻度基本値は6.2（警告）と評価されている。^[1]

この脆弱性の影響を受けるシステムでは、攻撃者によってサービス運用妨害（DoS）状態に陥る可能性がある。攻撃元区分はローカルであり、攻撃条件の複雑さは低いとされている。また、攻撃に必要な特権レベルは不要で、利用者の関与も不要とされている点が特徴的だ。

脆弱性のタイプはCWEによると、整数オーバーフローまたはラップアラウンド（CWE-190）およびゼロ除算（CWE-369）に分類されている。影響を受ける可能性のあるユーザーは、ベンダアドバイザリまたはパッチ情報を参照し、適切な対策を実施することが推奨される。この脆弱性に関する情報は2024年8月30日に公表された。

Xpdfの脆弱性詳細

項目	詳細
影響を受けるバージョン	Xpdf 4.05およびそれ以前
CVE識別子	CVE-2024-7867
CVSS v3深刻度基本値	6.2（警告）
攻撃元区分	ローカル
攻撃条件の複雑さ	低
CWEによる脆弱性タイプ	整数オーバーフロー（CWE-190）、ゼロ除算（CWE-369）
公表日	2024年8月30日

整数オーバーフローについて

整数オーバーフローとは、プログラムが処理できる最大値を超える計算結果が生じた際に発生するエラーのことを指す。主な特徴として以下のような点が挙げられる。

予期せぬ動作やクラッシュの原因となる
セキュリティ上の脆弱性につながる可能性がある
データの整合性や正確性を損なう恐れがある

Xpdfの脆弱性では、整数オーバーフローが攻撃者によって悪用される可能性がある。この種の脆弱性は、適切な入力値の検証やより大きな整数型の使用、あるいは安全な演算ライブラリの利用などによって防ぐことができる。開発者はこれらの対策を講じることで、ソフトウェアのセキュリティを向上させることができるだろう。

Xpdfの脆弱性に関する考察

Xpdfの脆弱性が公開されたことで、PDFビューアの安全性に対する注目が高まるだろう。特に、整数オーバーフローやゼロ除算といった基本的なプログラミングエラーが、依然としてセキュリティ上の脅威となり得ることが再認識された。この事例は、ソフトウェア開発における入力値の厳密な検証や、エラーハンドリングの重要性を改めて浮き彫りにしたと言える。

今後、Xpdfに限らず、PDFビューアソフトウェア全般において、より堅牢な設計と実装が求められるようになるだろう。特に、大量のPDFファイルを扱う企業や組織にとっては、この種の脆弱性がビジネスの中断やデータ漏洩につながる可能性があるため、早急な対応が必要となる。ベンダーは、脆弱性の修正パッチを迅速に提供し、ユーザーへの適切な情報提供を行うことが重要だ。

長期的には、PDFフォーマット自体のセキュリティ強化や、AIを活用した脆弱性検出技術の導入など、より根本的な解決策が模索されるかもしれない。ユーザー側も、定期的なソフトウェアの更新やセキュリティ設定の見直しなど、積極的な対策を講じることが求められる。この事例を機に、デジタルドキュメント処理におけるセキュリティ意識がより一層高まることを期待したい。