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ECONOMY

公開：2024-09-04

IHIがインドネシアでグリーンアンモニア燃焼実証の覚書締結、CO2排出量削減に向け前進

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• IHIがインドネシアでグリーンアンモニア燃焼検討の覚書締結
• PLN社の石炭火力発電所でグリーンアンモニア実証試験を計画
• 2060年までのインドネシアのCO2排出量ゼロ目標に貢献

IHIがインドネシアでグリーンアンモニア燃焼実証の覚書を締結

IHIは、インドネシア国営電力会社PLN Indonesia Powerおよびインドネシア国営肥料会社Pupuk Kujangと、PLN社グループが保有するラブアン火力発電所でグリーンアンモニアの燃焼実証実施に向けた検討を行う覚書を2024年9月2日に締結した。この覚書締結は、経済産業省主催のアジア・ゼロエミッション共同体第二回閣僚会合に合わせて発表されている。^[1]

覚書に基づき、IHIとPLN社、Pupuk Kujangは、グリーンアンモニアの製造からラブアン火力発電所への供給、発電設備の燃料転換までのバリューチェーン全体について技術性・経済性の検討を行う。IHIは主に発電所の改造検討といったアンモニア燃焼実証に関する技術的検討を担当し、PLN社は発電所の提供、Pupuk Kujangはグリーンアンモニアの製造および供給検討を担当する。

インドネシア政府は2060年までに温室効果ガス排出量ゼロを目指しており、火力発電所から排出されるCO2排出量の削減が課題となっている。IHIは2022年に同国の火力発電所におけるアンモニア実証試験に成功しており、今回の検討を通じてCO2排出量削減の実現に近づくことが期待される。

グリーンアンモニア燃焼実証の概要

グリーンアンモニアについて

グリーンアンモニアとは、再生可能エネルギーを用いて製造されたアンモニアのことを指しており、主な特徴として以下のような点が挙げられる。

• 製造過程でCO2を排出しない
• 既存の火力発電所で燃料として利用可能
• 水素キャリアとしても注目されている

IHIは2022年にインドネシアの火力発電所でアンモニア実証試験に成功しており、今回の覚書締結はその成果を踏まえたものだ。グリーンアンモニアの実用化は、インドネシア政府が掲げる2060年までの温室効果ガス排出量ゼロ目標達成に向けた重要な取り組みの一つとなっている。

インドネシアでのグリーンアンモニア燃焼実証に関する考察

IHIとインドネシア国営企業との覚書締結は、アジア地域におけるカーボンニュートラル実現に向けた重要な一歩だ。グリーンアンモニアの利用は既存の火力発電インフラを活用しつつCO2排出削減を可能にするため、エネルギー転換のコストを抑えながら環境目標を達成できる可能性がある。一方で、グリーンアンモニアの安定供給や価格競争力の確保が課題となる可能性もあるだろう。

この課題に対しては、再生可能エネルギーの大規模導入やアンモニア製造技術の効率化、さらには国際的なサプライチェーンの構築が解決策として考えられる。また、アンモニア専焼技術の開発や混焼率の向上など、発電技術のさらなる進化も期待される。こうした取り組みを通じて、グリーンアンモニアの実用化と普及が加速することで、アジア全体のエネルギー転換が促進されるだろう。

今後は、インドネシアでの実証結果を他のASEAN諸国にも展開し、地域全体でのカーボンニュートラル実現に向けた動きが加速することが期待される。IHIには、この取り組みを通じて得られた知見や技術を積極的に共有し、グローバルな環境負荷低減に貢献する役割が求められる。同時に、各国の事情に応じたきめ細かな技術支援や政策提言も重要になってくるだろう。

参考サイト

1. ^ PR TIMES. 「インドネシア商用石炭火力発電所におけるグリーンアンモニアでの燃焼検討に関する覚書を締結 | 株式会社IHIのプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000195.000089117.html, (参照 24-09-04).
2. 経済産業省. https://www.meti.go.jp/index.html

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