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公開：2024-09-13

NEDOとZenmovがフィリピンでスマートモビリティシステムの実証運転を開始、公共交通の効率化とGHG排出量削減を目指す

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• NEDOがフィリピンでスマートモビリティの実証研究開始
• Zenmovが開発したSMOCシステムを導入し実証運転開始
• クラークエリアで公共交通の効率化とGHG削減を目指す

NEDOとZenmovがフィリピンでスマートモビリティシステムの実証運転を開始

NEDOは「脱炭素化・エネルギー転換に資する我が国技術の国際実証事業」の一環として、フィリピンでスマートモビリティの実証研究を開始した。Zenmov株式会社が開発したクラウド型交通管制システム「Smart Mobility Operation Cloud」（SMOC）の導入が完了し、2024年9月より実証運転が始まっている。^[1]

実証研究の対象地はフィリピンのスマートシティとして開発中のクラークエリアだ。SMOCの導入・運用により、同エリアでの公共交通の利便性向上と輸送効率の改善を図り、エネルギー消費量と温室効果ガス（GHG）排出量の削減を目指している。この取り組みは、フィリピン政府が推進する公共交通車両近代化プログラムとも連動している。

実証研究では、13台の電動バス（うち1台は自動運転）と5台のクリーンディーゼルエンジンバスを導入し、車両の位置情報や乗降客数などのデータをクラウドに蓄積する。さらに、スマートポールやドローンからのデータも活用し、AIを用いて移動需要を分析し最適な運行スケジュールを自動生成する。これにより、効率的で無駄のない運行の実現を目指している。

フィリピンでのスマートモビリティ実証研究の概要

スマートモビリティについて

スマートモビリティとは、先進的なデジタル技術を活用して交通システムを最適化し、効率的で持続可能な移動手段を提供する概念だ。主な特徴として以下のような点が挙げられる。

• IoTやAIを活用したリアルタイムの交通管理
• 環境に配慮した電動車両やクリーンエネルギー車の導入
• 利用者のニーズに合わせた柔軟な運行サービスの提供

本実証研究で導入されるSMOCは、車両の位置情報や乗降客数などのデータをクラウドで管理し、AIによる需要予測と最適な運行スケジュール生成を行う。これにより、従来の固定ルート・固定ダイヤの公共交通システムよりも柔軟で効率的な運行が可能となり、利用者の利便性向上と同時に環境負荷の低減を実現することができる。

フィリピンでのスマートモビリティ実証研究に関する考察

フィリピンのクラークエリアでのスマートモビリティ実証研究は、急速に成長するアジアの都市における交通問題解決の先駆けとなる可能性が高い。特に、AIを活用した需要予測と運行最適化は、慢性的な渋滞や非効率な公共交通システムに悩む多くの都市にとって有効なソリューションとなるだろう。一方で、新技術の導入に伴う初期コストや、既存の交通システムからの移行に関する課題も予想される。

今後、本実証研究の成果を他の都市や国へ展開する際には、各地域の交通事情や文化的背景に合わせたカスタマイズが必要になるだろう。また、データセキュリティやプライバシー保護の観点から、収集される膨大な移動データの管理と利用に関する明確なガイドラインの策定も重要な課題となる。さらに、自動運転技術の実用化に向けた法整備や社会受容性の向上も並行して進める必要がある。

長期的には、スマートモビリティシステムと都市計画の統合がより重要になると考えられる。公共交通の効率化だけでなく、歩行者や自転車利用者も含めた総合的な移動エコシステムの構築が求められるだろう。また、再生可能エネルギーの活用や、MaaSプラットフォームとの連携など、より広範な「スマートシティ」構想の中でスマートモビリティを位置づけていく視点も必要になるはずだ。

参考サイト

1. ^ PR TIMES. 「フィリピンのスマートシティ・クラークエリアでAIを活用したスマートモビリティのシステム構築が完成、実証運転を開始しました | Zenmov株式会社のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000007.000081602.html, (参照 24-09-13).

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