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IIS(Internet Information Services)とは?意味をわかりやすく簡単に解説

text: XEXEQ編集部


IIS(Internet Information Services)とは

IIS(Internet Information Services)とはMicrosoftが提供するWebサーバーソフトウェアです。Windows Server上で動作し、WebサイトやWebアプリケーションをホストするための機能を提供します。

IISはHTTPHTTPSなどの通信プロトコルをサポートしており、ASP.NETやPHPなどの様々なWebアプリケーション開発フレームワークに対応しています。また、高度なセキュリティ機能や負荷分散機能も備えているのが特徴です。

IISはWebサーバーとしての基本的な機能に加えて、FTPサーバーやSMTPサーバーなどの機能も提供しています。これにより、Webサイトのホスティングだけでなくファイルの送受信やメールの送信なども行えるようになっています。

IISの管理はGUIベースの管理ツールであるIIS マネージャや、コマンドラインツールであるAppCmdを使用して行います。これらのツールを使うことで、Webサイトの作成や設定、セキュリティの管理などを効率的に行うことができます。

IISはWindows Serverの標準的なコンポーネントとして提供されており、多くの企業や組織で利用されています。高い信頼性とパフォーマンスを持ち、幅広いWebアプリケーションをサポートできるのが大きな特長です。

IISの主要な機能と特徴

IISの主要な機能と特徴に関して、以下3つを簡単に解説していきます。

  • Webサーバーとしての基本機能
  • セキュリティと可用性を高める機能
  • 多様なWebアプリケーションのサポート

Webサーバーとしての基本機能

IISはHTTPやHTTPSプロトコルを使用してWebコンテンツを配信する機能を提供します。静的なHTMLファイルや画像ファイルなどを配信できるほか、ASP.NETやPHPなどを使って動的なWebページを生成することもできます。

また、仮想ディレクトリや仮想アプリケーションを作成することで、単一のWebサーバー上で複数のWebサイトをホストできます。これにより、リソースを効率的に活用しながら、多数のWebサイトを運営できるようになります。

IISは圧縮転送や帯域幅制限など、パフォーマンスを最適化するための機能も備えています。これらの機能を活用することで、Webサイトの応答速度を向上させ、ユーザーエクスペリエンスを改善できます。

セキュリティと可用性を高める機能

IISにはWebサイトのセキュリティを強化するための様々な機能が用意されています。IPアドレス制限やリクエストフィルタリングなどを設定することで、不正アクセスを防止できます。

また、SSL/TLSを使用したHTTPS通信をサポートしており、データの暗号化とユーザー認証を行えます。これにより、機密情報を安全に送受信できるようになります。

IISはWebサーバーの可用性を高めるための機能も提供しています。NLB(Network Load Balancing)を使用することで、複数のサーバーに負荷を分散させ、システムの冗長性を確保できます。

多様なWebアプリケーションのサポート

IISはMicrosoft製のASP.NETだけでなく、PHPやPerl、Pythonなど、様々なWebアプリケーション開発フレームワークをサポートしています。これにより、開発者は自身の得意な言語やフレームワークを使ってWebアプリケーションを構築できます。

また、IISはCGIやFastCGIなどの仕組みを使って、外部アプリケーションと連携することもできます。これにより、既存のアプリケーションをWebサービス化したり、Webアプリケーションから外部システムにアクセスしたりできるようになります。

IISはWebSocket通信にも対応しており、リアルタイムなデータのやり取りが必要なWebアプリケーションを構築できます。チャットシステムやオンラインゲームなど、双方向通信が求められるアプリケーションに適しています。

IISの管理と設定

IISの管理と設定に関して、以下3つを簡単に解説していきます。

  • IIS マネージャによるGUIでの管理
  • AppCmdによるコマンドラインでの管理
  • 設定ファイルを使用した管理

IIS マネージャによるGUIでの管理

IIS マネージャはIISの管理を行うためのグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)ツールです。Webサイトやアプリケーションプールの作成、設定の変更、ログの確認などを直感的に行えます。

また、IIS マネージャには構成エディターと呼ばれる機能があり、設定ファイルをGUI上で編集できます。XMLベースの設定ファイルを直接編集する必要がなく、ミスを防げるメリットがあります。

リモートサーバーの管理もIIS マネージャから行えます。リモート管理を有効化することで、ネットワーク経由で他のサーバー上のIISを管理できるようになります。

AppCmdによるコマンドラインでの管理

AppCmdはコマンドラインからIISの管理を行うためのツールです。Webサイトやアプリケーションプール、仮想ディレクトリなどの作成や設定変更を、コマンドを使って行えます。

AppCmdを使うことで、管理タスクを自動化できます。バッチファイルやスクリプトからAppCmdを呼び出せるため、定型的な作業を効率化できます。

また、AppCmdは構成設定の一括エクスポートやインポートにも使用できます。複数のサーバー間で設定を同期させる際に便利な機能です。

設定ファイルを使用した管理

IISの設定はXMLベースの設定ファイルに保存されています。主要な設定ファイルとして、applicationHost.configとweb.configがあります。

applicationHost.configはサーバーレベルの設定を記述するファイルです。サイト全体に関わる設定や、アプリケーションプールの設定などが含まれます。

web.configはサイトやアプリケーションごとの設定を記述するファイルです。ディレクトリごとに配置することができ、それぞれのアプリケーションに固有の設定を行えます。

IISとWindowsの関係性

IISとWindowsの関係性に関して、以下3つを簡単に解説していきます。

  • WindowsサーバーOSに含まれるコンポーネント
  • Windowsのユーザー認証との連携
  • Windowsのシステムリソースの活用

WindowsサーバーOSに含まれるコンポーネント

IISはWindowsサーバーOSの標準コンポーネントとして提供されています。Windows Server 2019やWindows Server 2022など、最新のバージョンのOSにはIISが含まれています。

Windowsのサーバーマネージャーから、IISの役割を追加することで、簡単にインストールできます。必要に応じて、ASP.NETやPHPなどの拡張機能を追加でインストールすることもできます。

また、デスクトップ向けのWindows OSにも、IIS Expressと呼ばれる開発者向けのIISが含まれています。ローカル環境でWebアプリケーションの開発とテストを行う際に利用されます。

Windowsのユーザー認証との連携

IISはWindowsのユーザー認証機能と連携して動作します。Active DirectoryやローカルユーザーアカウントのIDとパスワードを使用して、Webサイトへのアクセス制御を行えます。

統合Windows認証と呼ばれる仕組みを使うことで、シングルサインオン(SSO)を実現できます。ユーザーはWindowsにログインするだけでWebサイトにアクセスでき、利便性が向上します。

また、ダイジェスト認証やクライアント証明書認証など、様々な認証方式をサポートしています。セキュリティポリシーに応じて、適切な認証方式を選択できます。

Windowsのシステムリソースの活用

IISはWindowsのシステムリソースを効率的に活用して動作します。プロセスモデルやメモリ管理など、Windowsのコア機能と緊密に連携しています。

また、Windowsイベントログにログを出力したり、パフォーマンスモニターと連携したりできます。システムの監視やトラブルシューティングを行う際に役立ちます。

さらに、IISはWindowsのファイルシステムやネットワーク機能を活用しています。SMBプロトコルを使ったファイル共有や、名前付きパイプを使ったプロセス間通信などが可能です。

参考サイト

  1. Microsoft. https://www.microsoft.com/ja-jp
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