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IHIがフィリピンで大規模河川改修事業を受注、日本の高度技術で洪水被害軽減へ

text: XEXEQ編集部
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)

IHIがフィリピンで大規模河川改修事業を受注、日本の高度技術で洪水被害軽減へ

PR TIMES より


記事の要約

  • IHIがフィリピンで河川改修事業を受注
  • マニラ首都圏の洪水被害軽減が目的
  • 日本の高度な技術を活用した円借款事業

IHIがフィリピンで大規模な河川改修事業を受注

株式会社IHIインフラ建設は、東洋建設株式会社およびカナデビア株式会社との共同企業体で、フィリピン共和国公共事業道路省が発注する「パッシグ・マリキナ川河川改修事業(フェーズⅣ)パッケージ1」を受注した。この事業は日本政府開発援助の有償資金協力による円借款事業で、本邦技術活用条件(STEP)を適用している。[1]

本工事は先行して竣工しているフェーズⅡ、Ⅲに続く最終フェーズの一部であり、全フェーズ完遂によりマニラ首都圏中心部の洪水被害軽減を図る。事業内容には1.3kmの河川改修、マリキナ堰の製作・輸送・据付・試運転、およびマンガハン放水路における逆流防止水門の製作・輸送・据付・試運転が含まれる。

この事業では日本の高度な技術が活用される。護岸整備にはハット形鋼矢板、水門には省合金二相ステンレス鋼が使用される。IHIインフラ建設はこれまでも国内外で多くの水門を納入した実績があり、今後も水門建設などを通じて安全で快適な生活環境づくりに貢献していく方針だ。

フィリピン河川改修事業の概要

項目 詳細
工事名 パッシグ・マリキナ川河川改修事業(フェーズⅣ)パッケージ1
発注者 フィリピン共和国 公共事業道路省
受注者 東洋建設・日立造船・IHIインフラ建設共同企業体
工期 1,800日
施工場所 フィリピン共和国 マニラ首都圏 パッシグ市,ケソン市,リサール州タイタイ町
主な事業内容 1.3kmの河川改修、マリキナ堰の製作・据付、逆流防止水門の製作・据付
使用技術 ハット形鋼矢板、省合金二相ステンレス鋼

本邦技術活用条件(STEP)について

本邦技術活用条件(STEP)とは、我が国の優れた技術やノウハウを活用し、開発途上国への技術移転を通じて我が国の「顔が見える援助」を促進するための制度のことを指しており、主な特徴として以下のような点が挙げられる。

  • 日本の先進技術を活用した開発援助
  • 開発途上国への技術移転の促進
  • 日本の援助の可視化(顔が見える援助)

本事業では、STEPの適用により、日本の高度な技術であるハット形鋼矢板や省合金二相ステンレス鋼が活用される。これらの技術は、フィリピンの河川改修事業において高い効果を発揮し、現地の防災能力向上に大きく貢献することが期待される。同時に、日本の技術力をアピールする機会にもなっている。

フィリピンの河川改修事業に関する考察

IHIインフラ建設らによるフィリピンでの河川改修事業は、マニラ首都圏の洪水被害軽減という喫緊の課題に対応する重要なプロジェクトだ。日本の高度な技術を活用することで、より効果的かつ持続可能な防災インフラの構築が可能になると考えられる。ただし、長期にわたる工事期間中の地域住民への影響や、完工後の維持管理体制の構築など、今後考慮すべき課題も存在するだろう。

この事業を通じて、フィリピンの防災能力が向上することは間違いないが、気候変動の影響で今後さらに激甚化する可能性のある自然災害に対して、ハード面の整備だけでなくソフト面での対策も重要になってくる。例えば、地域住民への防災教育や早期警報システムの導入、さらには都市計画と連携した総合的な防災戦略の策定なども並行して進めていく必要があるだろう。

また、この事業を足がかりに、日本の建設・インフラ企業がアジア地域でさらなる事業展開を図ることも期待される。今回のプロジェクトで得られるノウハウや経験は、他の開発途上国における同様の事業にも応用可能だ。日本企業には、単なる施工能力だけでなく、現地のニーズに適合した技術提案や、持続可能な開発目標(SDGs)達成に貢献する事業展開が求められるだろう。

参考サイト

  1. ^ PR TIMES. 「フィリピン マニラで水門の建設を含む河川改修事業を受注 | 株式会社IHIのプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000203.000089117.html, (参照 24-10-05).

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