商船三井がシンガポール初のFSRU長期定期用船契約を締結、2027年からエネルギー安定供給へ貢献

text: XEXEQ編集部
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PR TIMES より

記事の要約

商船三井がシンガポール初のFSRU長期定期用船契約を締結
2027年竣工予定のFSRUがジュロン港で運用開始へ
シンガポールのエネルギー安定供給基盤を支援

シンガポール向けFSRU長期定期用船契約の締結

商船三井は、シンガポール国営LNGターミナル運営会社Singapore LNG Corporation Pte. Ltd.と新造FSRU1隻の長期定期用船契約の内容に合意し、2024年10月23日にシンガポールでプロジェクトの対外発表を行った。新造FSRUはHanwha Ocean Co., Ltd.にて建造され、2027年の竣工後に商船三井が保有および船舶管理・操業を担当することが決定している。^[1]

FSRUはLNGの受入れから再ガス化、送出までの中核的な役割を担い、シンガポールのエネルギー安定供給の基盤を支えるインフラプロジェクトとして期待されている。国内発電量の約95%を輸入天然ガスで賄うシンガポールにとって、FSRUの導入は重要な意味を持つだろう。

商船三井はFSRU保有・運営のリーディングカンパニーとして、トルコや香港、インドネシアなど多様な地域でFSRUの操業実績を積み重ねてきた実績がある。最近ではポーランド向けのFSRU長期定期用船契約を締結するなど、グローバルにFSRU事業を展開している。

新造FSRUの概要

項目	詳細
全長	298.8m
船幅	51.0m
LNG貯蔵能力	200,000m3
再ガス払出能力	500万トン/年
造船所	Hanwha Ocean Co., Ltd.
竣工予定	2027年

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FSRUについて

FSRUとは、Floating Storage and Regasification Unitの略称で、LNGを洋上で受け入れて貯蔵し、再ガス化を行い陸上へ送出することができる浮体式設備のことを指す。主な特徴として以下のような点が挙げられる。

陸上設備と比較してコストを抑制可能
工期を短縮できる利点がある
LNGの受入れから再ガス化まで一括処理

商船三井のFSRU事業は、トルコや香港、インドネシアなど多様な地域で長年の操業実績を持つ。エネルギーの安定供給を求める顧客のニーズに応えるため、ポーランドなどでもFSRU事業を展開しており、グローバルなエネルギーインフラの整備に貢献している。

シンガポール向けFSRUプロジェクトに関する考察

シンガポールにとって初となるFSRUの導入は、エネルギー安定供給の観点から重要な意味を持っている。国内発電量の95%を輸入天然ガスに依存する同国にとって、FSRUによるLNG受入基地の増強は供給体制の強化につながるだろう。一方で、長期的な運用においては設備の保守管理や安全性確保が課題となる可能性がある。

FSRUの導入により、シンガポールのエネルギー調達の柔軟性が向上することが期待される。LNG市場の価格変動や地政学的リスクに対する耐性が高まることで、より安定的なエネルギー供給体制の構築が可能になるだろう。商船三井の豊富な運用実績は、プロジェクトの成功に大きく貢献すると考えられる。

今後はFSRUの運用効率化や環境負荷低減など、さらなる技術革新も求められる。再生可能エネルギーとの組み合わせや、カーボンニュートラルLNGの活用なども検討課題となるだろう。シンガポールのエネルギー政策における重要なインフラとして、FSRUの役割はさらに拡大していく可能性がある。