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帝国データバンクが全国老舗企業4万5284社の実態を調査、財務面で営業外収益の貢献度が顕著に

text: XEXEQ編集部
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帝国データバンクが全国老舗企業4万5284社の実態を調査、財務面で営業外収益の貢献度が顕著に

PR TIMES より


記事の要約

  • 業歴100年以上の老舗企業が4万5284社に到達
  • 京都府が老舗企業の出現率で5.35%とトップ
  • 財務面で高い営業外収益率を維持

帝国データバンクの全国老舗企業分析調査2024の結果公開

帝国データバンクは2024年10月24日、全国の老舗企業に関する調査結果を公開した。2024年9月時点での業歴100年以上の老舗企業数は4万5284社に達し、全企業に占める老舗企業の割合を示す老舗出現率は2.75%となっている。老舗企業のうち約2000社は関東大震災の翌年である1924年に創業し、今年新たに老舗企業の仲間入りを果たしたのだ。[1]

老舗企業の都道府県別の出現率では、倹約・勤勉の精神が根付く京都府が5.35%でトップとなり、山形県の5.34%と新潟県の5.02%が続く結果となった。京都府内では呉服文化を象徴する織物卸売業が最も多く、旅館や造園、製茶業など和物系の業種が上位を占めている。

業種別の老舗企業の割合では、規制により新規参入が制限されている清酒製造業が80.5%と圧倒的な数値を示している。売上高別では全体の42.7%が1億円未満の小規模事業者である一方、売上高1000億円以上の大企業においては全体の20.8%を老舗企業が占めており、規模の面でも存在感を示している。

全国老舗企業の財務状況まとめ

項目 詳細
老舗企業数 4万5284社
老舗出現率 2.75%
最古の企業 金剛組(578年創業)
1000年以上の企業 11社
自己資本比率 38.76%(全業種平均より10ポイント以上高い)
売上高構成 1億円未満が42.7%、1000億円以上が1.0%
調査レポートの詳細はこちら

営業外収益について

営業外収益とは企業の本業以外から得られる収入のことを指しており、主な特徴として以下のような点が挙げられる。

  • 長年保有する不動産からの賃貸収入
  • 金融資産による利息や配当金収入
  • 本業の営業活動以外での収益確保

老舗企業の財務分析では営業外収益率が全業種平均を上回っており、長年蓄積された資産が収益性向上に貢献している。特に土地や建物などの不動産資産や株式などの金融資産からの収入が、老舗企業の安定した経営基盤を支える重要な要素となっているのだ。

老舗企業の存続に関する考察

老舗企業が持つ不動産や金融資産による営業外収益は経営の安定性を高める重要な要素となっている。一方で2024年9月時点での老舗企業の倒産件数は110件に達しており、相次ぐ値上げや後継者不足などの課題が深刻化しているのだ。

老舗企業が直面する物価高騰や円安などの経営環境の変化は、伝統的な事業モデルの見直しを迫る要因となっている。特に小規模事業者が多数を占める状況下では、事業承継問題と経営改革の両立が今後の重要課題となるだろう。

現代のビジネス環境において老舗企業が生き残るためには、伝統を守りながらも変革を恐れない進取の精神が必要不可欠となる。金融機関による本業の事業性評価が厳格化する中、老舗企業には固定観念にとらわれない柔軟な経営戦略の構築が求められている。

参考サイト

  1. ^ PR TIMES. 「業歴100年以上の「老舗企業」、日本に4万5284社 安定した財務のカギは「営業外収益」にあり | 株式会社帝国データバンクのプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000958.000043465.html, (参照 24-10-25).

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