デジタルガレージとりそなHD、中小飲食店向けオンラインレンディング実証実験を開始、AIモデルによる新たな与信評価手法に注目

text: XEXEQ編集部

PR TIMES より

記事の要約

デジタルガレージが業界特化型データ基盤とAIモデルを開発
りそなHDとオンラインレンディングの実証実験を開始
中小飲食店の資金繰り支援を目指す

デジタルガレージとりそなHDの新たな金融サービス展開

デジタルガレージは、オープンデータを活用した業界特化型のデータ基盤と、飲食店の与信リスクを評価するAIモデル「Insite Stream」を開発した。この技術を基に、りそなホールディングスと共同で、東京23区とさいたま市の中小飲食店を対象としたオンラインレンディングの実証実験を2024年8月7日より開始する。^[1]

本実証実験では、借主による財務情報や事業計画の提出を不要とし、申込み確認後最短5営業日での融資を可能にする。Insite Streamが収集する時系列データを活用することで、環境や事業の変化に即応した高精度の与信評価と途上与信を実現する。これにより、中小法人向け与信業務の効率化と新たな金融市場の創造を目指している。

この取り組みは、昨今の厳しい経営環境下で倒産件数が増加している飲食業界への支援策として注目される。入出金情報を使わず非財務情報のみで融資審査を完結させる点が国内初の試みであり、中小飲食店の資金調達における新たな選択肢となる可能性がある。

オンラインレンディング実証実験の概要

	対象顧客	試行期間	融資金額	借入期間	融資方法	返済方法
主な特徴	東京23区・さいたま市の中小飲食店	2024年8月7日〜2025年4月末	100万円	3か月	指定口座へ振込	期日一括返済
対象条件	1店舗のみ経営する法人	先着100法人限定	固定	固定	りそな銀行口座不要	りそな返済口座へ振込
特記事項	りそなグループ既存借入なし	実験終了後の展開未定	少額・短期融資	短期運転資金向け	オンライン申込	柔軟な返済オプションなし

Insite Streamについて

Insite Streamとは、デジタルガレージが開発した飲食店の与信リスクを評価するAIモデルのことを指しており、主な特徴として以下のような点が挙げられる。

オープンデータを継続的に収集・統合して活用
時系列データを用いた高精度の与信評価が可能
財務情報や事業計画の提出不要で迅速な審査を実現

Insite Streamは、従来の与信モデルとは異なり、公開データやインターネット上の情報を基に飲食店の経営状況を分析する。これにより、財務諸表だけでは捉えきれない最新の経営環境の変化や、地域特性などを考慮した精緻な与信評価が可能となる。また、継続的なデータ収集により、融資後の途上与信にも活用できる点が特徴的だ。

オンラインレンディングの実証実験に関する考察

デジタルガレージとりそなHDのオンラインレンディング実証実験は、中小飲食店の資金調達に新たな可能性をもたらす革新的な取り組みだ。従来の融資手法では対応が難しかった小規模事業者に対し、AIとデータ分析を活用することで迅速かつ柔軟な融資を実現する可能性がある。しかし、非財務情報のみに基づく与信評価の精度や、融資後のモニタリング手法については、慎重な検証が必要となるだろう。

今後、このサービスが成功を収めれば、飲食業以外の業種への展開や、融資額・期間の拡大などが期待される。また、他の金融機関やフィンテック企業による類似サービスの登場も予想され、中小企業向け金融サービス市場に大きな変革をもたらす可能性がある。一方で、AIによる与信判断の透明性確保や、個人情報保護に関する課題にも注意を払う必要があるだろう。

長期的には、このようなデータ駆動型の金融サービスが普及することで、中小企業の資金調達環境が大きく改善される可能性がある。同時に、金融機関にとっても業務効率化やリスク管理の高度化につながるため、win-winの関係が構築されることが期待される。ただし、テクノロジーに過度に依存せず、人間の判断と組み合わせた最適なバランスを見出すことが、サービスの持続可能性を高める鍵となるだろう。

参考サイト

^ PR TIMES. 「デジタルガレージ、業界特化型データ基盤とAIモデルを活用し、りそなHDとオンラインレンディングの実証実験を開始 | 株式会社デジタルガレージのプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000378.000023393.html, (参照 24-08-10).

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