ブロックチェーン

BLOCKCHAIN

公開：2024-08-10

林ぶどう研究所とシティーデジタルが品種DNA×ブロックチェーンの実証実験を開始、ぶどう育種の収益還元システム構築へ

text: XEXEQ編集部

記事の要約

• 林ぶどう研究所とシティーデジタルが実証実験を開始
• ぶどう品種のDNA情報とブロックチェーンを活用
• 育種の収益還元システム構築を目指す

ぶどう品種のDNA情報とブロックチェーンを活用した実証実験

株式会社林ぶどう研究所と株式会社シティーデジタルは、2024年8月8日よりぶどうの品種改良・栽培に関する実証実験を開始した。この実験では、オリジナルブランド「マスカットジパング」のDNA情報とブロックチェーンを活用し、育種の収益還元システム構築を目指している。バリューチェーンの透明化により、消費者の安心な購入と違法栽培・販売の撲滅を図るのだ。^[1]

実験の背景には、品種開発への収益還元が不十分である点や、年間1,000億円とも言われる品種の盗難や不正栽培による業界全体の課題がある。これらの問題に対し、テクノロジーを活用した解決策を模索した結果、両社は共同特許を出願し、今回の実証実験の実施に至った。

この取り組みを通じて得られた知見をもとに、国内外で日本発のオリジナル品種の価値を守り、品種開発に対する収益が還元される世界の実現を目指している。林ぶどう研究所は100年以上の歴史を持つ林農園の4代目が運営し、100種類以上のぶどうを栽培しながら15年以上品種改良に取り組んでいる。

ぶどう品種DNA×ブロックチェーン実証実験の概要

ブロックチェーンについて

ブロックチェーンとは、分散型台帳技術のことを指しており、主な特徴として以下のような点が挙げられる。

• データの改ざんが極めて困難な高いセキュリティ性
• 中央管理者不要の分散型システム構造
• 取引の透明性と追跡可能性の確保

ブロックチェーンは、暗号技術を用いて連結されたブロックの連鎖によってデータを保存・管理する。この技術により、取引記録の改ざんが事実上不可能となり、高い信頼性と透明性が確保される。農業分野での活用により、生産から消費までの過程を追跡可能にし、品種の保護や品質保証に貢献することが期待されている。

ぶどう品種DNA×ブロックチェーン実証実験に関する考察

今後、この実証実験が進むにつれて、データの精度や管理の問題が浮上する可能性がある。DNA情報の正確な読み取りや、ブロックチェーンへのデータ入力の信頼性確保が課題となるだろう。また、システムの導入コストや運用の複雑さが、中小規模の生産者にとって負担となる可能性も考慮する必要がある。

将来的には、DNA情報とブロックチェーンの組み合わせに加え、IoTセンサーによる栽培環境データの収集や、AI分析による品質予測機能の追加が期待される。これにより、より精緻な品質管理と生産効率の向上が可能になるだろう。さらに、消費者向けのアプリケーション開発により、商品の詳細情報へのアクセスが容易になれば、付加価値の向上にもつながる。

この取り組みが成功すれば、ぶどう以外の農作物や、さらには工業製品など他分野への応用も考えられる。ブロックチェーンを活用した品種保護と収益還元のモデルは、知的財産の保護が課題となっている多くの産業に新たな可能性を示すことになるだろう。日本の農業のみならず、グローバルな農業イノベーションの先駆けとなる可能性を秘めている。

参考サイト

1. ^ PR TIMES. 「林ぶどう研究所と進めるぶどう「品種DNA×ブロックチェーン」育種の収益還元システム構築に向けた実証実験第一弾を開始 | 株式会社シティーデジタルのプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000009.000045557.html, (参照 24-08-10).

※上記コンテンツはAIで確認しておりますが、間違い等ある場合はコメントよりご連絡いただけますと幸いです。

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