経済

ECONOMY

公開：2024-12-26

東京ガスなど5社が山形県遊佐町沖で45万kW規模の洋上風力発電事業を開始、日本のエネルギー転換を加速

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• 東京ガス他4社の特別目的会社が洋上風力発電事業者に選定
• 山形県遊佐町沖で45万kW規模の着床式洋上風力発電所を建設予定
• 2030年の再生可能エネルギー電源取扱量600万kWの達成に貢献

山形県遊佐町沖の洋上風力発電事業者が決定

東京ガスは丸紅、関西電力、BPIOTA、丸高と共同出資する特別目的会社「山形遊佐洋上風力合同会社」を通じて、山形県遊佐町沖における洋上風力発電事業に応募し、2024年12月24日に経済産業省および国土交通省より選定事業者として選定された。洋上風力発電事業は同社のグループ経営ビジョン「Compass2030」における「CO2ネット・ゼロ」への移行を目指す重要施策の一つとなっている。^[1]

山形遊佐洋上風力合同会社は山形県遊佐町沖に発電容量45万kWの着床式洋上風力発電所を建設し、洋上風力発電所の保守運営を実施する計画を立てている。東京ガスグループは2030年における国内外での再生可能エネルギー電源取扱量600万kWの達成に向け、太陽光や風力、バイオマスなどの再生可能エネルギー電源の開発・調達を推進するだろう。

事業主体となる山形遊佐洋上風力合同会社は、丸紅が代表企業として参画し複数企業の強みを活かした体制を構築している。FIP制度を活用した売電スキームを採用することで、再生可能エネルギーの安定供給と経済性の両立を図ることが可能となった。

山形遊佐洋上風力発電事業の概要

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FIP制度について

FIP制度とは、Feed-in Premium（フィードインプレミアム）の略称で、再生可能エネルギーの市場統合を促すための新たな制度的枠組みのことを指す。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。

• 再生可能エネルギー発電事業者が卸電力市場や相対取引で売電する際にプレミアムを付与
• 市場価格に応じて一定の収入が得られる仕組みにより事業の予見可能性を確保
• 市場価格に連動するため効率的な発電・売電のインセンティブを付与

山形遊佐洋上風力発電事業ではFIP制度を活用することで、再生可能エネルギーの普及促進と経済合理性の両立を目指している。発電事業者は市場価格に連動したプレミアムを受け取ることができ、市場メカニズムを活用した効率的な発電・売電が可能となるだろう。

山形県遊佐町沖の洋上風力発電事業に関する考察

洋上風力発電事業の成功には、地域との共生と環境への配慮が不可欠である。山形遊佐洋上風力合同会社は地元企業である丸高を構成企業に加え、地域社会との連携を重視する姿勢を示しており、地域経済への波及効果も期待できるだろう。

一方で、洋上風力発電所の建設・運営には気象条件や海洋環境の変化への対応が課題となる可能性が高い。特に日本海側特有の厳しい気象条件下での安定運転や設備の維持管理には、高度な技術力と豊富な経験が求められることになるだろう。

今後は日本のエネルギー政策における再生可能エネルギーの重要性がさらに高まることが予想される。本事業を通じて得られる知見や経験は、国内の洋上風力発電産業の発展に大きく貢献し、ゼロカーボン社会の実現に向けた重要な一歩となる可能性が高い。

参考サイト

1. ^ PR TIMES. 「山形県遊佐町沖における洋上風力発電事業に係る事業者への選定について | 東京ガス株式会社のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001185.000021766.html, (参照 24-12-26).
2. 経済産業省. https://www.meti.go.jp/index.html

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