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DNPが次世代ディスプレイ向け光拡散フィルムを開発、従来比40分の1の薄さで映り込み抑制を実現

text: XEXEQ編集部
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)


記事の要約

  • DNPがミニLED向け光拡散フィルムを開発
  • 従来の拡散板不要で同等の輝度と映り込み抑制を実現
  • ディスプレイの薄型化と軽量化に貢献

DNPの次世代ディスプレイ向け光拡散フィルムの開発

大日本印刷株式会社は低消費電力と鮮やかな画質を両立するミニLEDバックライト向けの革新的な光拡散フィルムを2025年1月16日に発表した。従来のミニLEDディスプレイで必要とされていた拡散板を使用せずに同等の輝度を実現し、LEDの素子による映り込みを効果的に抑制することが可能となっている。[1]

本フィルムは誘電体多層膜と超微細なプリズム構造によって構成されており、LEDからの光の方向を精密に制御することで映り込みを低減している。フィルムの厚さは従来の拡散板と比較して約40分の1となる50μmを実現しており、ディスプレイの薄型化と軽量化に大きく貢献することが期待されている。

この技術的成果は世界的に権威のある論文誌「Journal of SID」のWebサイト「Best of IDW2023」にSPECIAL SECTION PAPERとして招待論文が掲載された。DNPは今後、ミニLEDに加えてマイクロLEDなどの次世代ディスプレイへの技術展開も視野に入れている。

光拡散フィルムの特徴まとめ

項目 詳細
フィルム構造 誘電体多層膜と超微細プリズムの組み合わせ
厚さ 50μm(従来比約40分の1)
主な機能 LEDドットの映り込み低減と光の方向制御
適用対象 ミニLEDディスプレイ、マイクロLEDディスプレイ
技術評価 Journal of SIDに招待論文として掲載

誘電体多層膜について

誘電体多層膜とは、異なる屈折率を持つ誘電体材料を交互に積層した光学薄膜構造のことである。以下のような特徴を持っている。

  • 特定の波長の光を選択的に透過・反射可能
  • 入射角度による光の制御が可能
  • ナノメートルレベルの薄膜で高い光学性能を実現

DNPが開発した光拡散フィルムでは、誘電体多層膜によってLEDからの直線光を制御し映り込みを低減している。マイクロプリズム構造と組み合わせることで光の拡散と均一化を実現し、薄型かつ高性能な光学フィルムの開発に成功している。

光拡散フィルムに関する考察

DNPが開発した光拡散フィルムは、ディスプレイの薄型化と軽量化という市場ニーズに応える革新的な技術として高く評価できるものである。特に従来比40分の1という薄さを実現しながら、同等の光学性能を維持できている点は、製品設計における大きなブレイクスルーと言えるだろう。

一方で、量産化における製造コストの最適化や、長期使用における性能安定性の確保が今後の課題として考えられる。特に誘電体多層膜とマイクロプリズム構造の製造プロセスの歩留まり向上が、市場展開における重要なポイントとなるはずだ。

将来的には、フレキシブルディスプレイやウェアラブルデバイスなど、さらなる用途拡大も期待される。光学設計技術の進化により、より高度な光制御や新たな機能の付加など、技術発展の可能性は広がっているものと考えられる。

参考サイト

  1. ^ . 「ミニLEDディスプレイ向けにLED素子の映り込みを抑える光拡散フィルムを開発 | ニュース | DNP 大日本印刷」. https://www.dnp.co.jp/news/detail/20176239_1587.html, (参照 25-01-16).

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