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公開：2025-01-28

NEDOがグリーンイノベーション基金事業で新規採択テーマを発表、カーボンリサイクル技術の開発を加速

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• NEDOがグリーンイノベーション基金事業で新たな2テーマを採択
• 混合プラスチックから基礎化学品を製造する技術開発を実施
• 廃タイヤからカーボンブラック再生技術の開発に着手

NEDOが新たに採択したグリーンイノベーション基金事業の研究開発プロジェクト

NEDOは2025年1月27日、グリーンイノベーション基金事業の研究開発項目2において新たな研究テーマ2件を採択したことを発表した。今回の採択では混合プラスチックから直接基礎化学品を製造する技術開発と廃タイヤなどからのカーボンブラック再生技術開発が行われることになっている。^[1]

グリーンイノベーション基金事業の化学分野では、カーボンニュートラル社会の実現のためにカーボンリサイクルなどの化石資源に頼らないプラスチック原料製造技術の確立が求められている。この事業は2021年度の公募で採択した事業に加え、化学製造業におけるカーボンニュートラルをさらに加速するために新たな2テーマを追加することになった。

NEDOは本事業で「混合プラスチックから基礎化学品を製造するリサイクル技術の開発」と「使用済みタイヤを含む高分子製品からのカーボン再利用技術の開発」の2テーマを採択し、両テーマとも製造時のCO2排出量を現行プロセスの半分以下とすることを目指している。また、これらの技術開発により炭素資源循環とCO2排出量削減の加速が期待されている。

グリーンイノベーション基金事業の新規採択テーマまとめ

カーボンリサイクルについて

カーボンリサイクルとは、CO2や廃プラスチックなどの炭素資源を再利用する技術のことを指す。以下のような特徴を持っている。

• 化石資源への依存度を低減し、環境負荷を軽減
• 廃棄物の有効活用による資源循環の促進
• CO2排出量削減による地球温暖化対策への貢献

カーボンリサイクル技術は、廃プラスチックの21%しか占めていない分離済みプラスチックだけでなく、残りの混合プラスチックにも対応できる技術の開発が求められている。また、使用済みタイヤからのカーボンブラック再生においても、物性の低下を防ぎながら再利用率を向上させる技術の確立が重要な課題となっている。

グリーンイノベーション基金事業の新規採択テーマに関する考察

NEDOの新規採択テーマは、これまで十分に活用できていなかった混合プラスチックや使用済みタイヤの再利用技術の確立を目指している点で画期的だ。特に混合プラスチックの直接的な基礎化学品への変換技術は、分離コストの削減と再資源化率の向上に大きく貢献する可能性がある。

しかし、今後の課題として技術の実用化に向けたコストと品質の両立が挙げられる。特にカーボンブラック再生技術では、再生品の品質向上と使用可能な製品範囲の拡大が重要な課題となるだろう。また、実証スケールでの技術確立には長期的な視点での研究開発と設備投資が必要となる。

両テーマは2032年度までの長期的な開発期間を設定しており、段階的なスケールアップと実用化に向けた取り組みが期待される。特にCO2排出量の半減という目標達成に向けては、製造プロセスの最適化と効率化が重要な鍵を握ることになるだろう。

参考サイト

1. ^ PR TIMES. 「グリーンイノベーション基金事業で新たに二つのテーマを採択しました | 国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000141.000135644.html, (参照 25-01-28).

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