セキュリティ

SECURITY

公開：2024-08-20

Zoom製品に情報漏洩の脆弱性、認証済みユーザーによる機密情報アクセスの危険性

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• Zoomの一部製品に情報漏洩の脆弱性
• 認証済みユーザーが機密情報にアクセス可能
• 複数の製品バージョンが影響を受ける

Zoom製品の情報漏洩脆弱性CVE-2024-39822

Zoomは2024年8月13日、同社の一部Workplace Apps、SDKs、Rooms Clients、およびRooms Controllersに情報漏洩の脆弱性が存在することを公表した。この脆弱性（CVE-2024-39822）は、認証済みユーザーがネットワークアクセスを通じて機密情報を取得できる可能性があるものだ。CVSSスコアは6.5（中程度）とされている。^[1]

影響を受ける製品は多岐にわたり、Zoom Workplace Desktop App for Linux、iOS版およびAndroid版Zoom Workplace App、iOS版およびAndroid版Zoom Meeting SDK、Windows版、macOS版、iPad版のZoom Rooms Client、さらにWindows版、macOS版、Linux版、Android版のZoom Rooms Controllerが含まれる。これらの製品のうち、特定のバージョン以前のものが脆弱性の影響を受けるとされている。

Zoomは、ユーザーに対して最新のアップデートを適用することで、セキュリティを確保できると案内している。アップデートは公式サイト（https://zoom.us/download）からダウンロード可能だ。この脆弱性はZoom Offensive Securityによって報告されたもので、Zoomは迅速に対応策を講じている。

Zoom製品の脆弱性影響範囲まとめ

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CVSSスコアについて

CVSSスコアとは、Common Vulnerability Scoring Systemの略で、情報セキュリティの脆弱性の深刻度を評価するための業界標準指標のことを指している。主な特徴として以下のような点が挙げられる。

• 0.0から10.0までの数値で脆弱性の深刻度を表現
• 攻撃の難易度や影響範囲などの複数の要素を考慮
• ベクトル文字列により詳細な評価基準を提供

本件のCVE-2024-39822の場合、CVSSスコアは6.5（中程度）とされている。このスコアは、ネットワークからアクセス可能（AV:N）で、攻撃の複雑さが低い（AC:L）が、攻撃者に一定の権限が必要（PR:L）で、ユーザーの操作を必要としない（UI:N）という特徴を持つ。また、機密性への影響が高い（C:H）一方で、完全性と可用性への影響はない（I:N、A:N）ことを示している。

Zoom製品の脆弱性対応に関する考察

Zoomが迅速に脆弱性を公表し、対応策を提供したことは評価に値する。特に、影響を受ける製品とバージョンを明確に示し、ユーザーに具体的なアクション（最新版へのアップデート）を促している点は、透明性と責任ある対応の表れだ。しかし、この脆弱性が認証済みユーザーによって悪用される可能性がある点は、内部脅威対策の重要性を再認識させる。

今後の課題として、脆弱性の発見から修正、公表までのプロセスをさらに効率化することが挙げられる。また、認証済みユーザーによる不正アクセスを防ぐための多層的なセキュリティ対策の強化も必要だろう。Zoomのような広く利用されるコミュニケーションツールは、常に攻撃者の標的となる可能性が高いため、継続的なセキュリティ監査と迅速な脆弱性対応が求められる。

期待したい点としては、Zoomが今回の経験を活かし、より強固なセキュリティ開発ライフサイクルを確立することだ。また、ユーザー教育の強化や、セキュリティコミュニティとの協力関係の深化など、総合的なアプローチでセキュリティ対策を進めることが望ましい。Zoomの対応は、他のソフトウェア開発企業にとっても良い先例となるだろう。

参考サイト

1. ^ Zoom. 「ZSB-24029 | Zoom」. https://www.zoom.com/en/trust/security-bulletin/zsb-24029/, (参照 24-08-20).

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