ブロックチェーン

BLOCKCHAIN

公開：2025-02-20

デジタル通貨フォーラムがインボイスチェーン分科会STEP1報告書を公開、企業間取引の標準化プラットフォーム構築へ前進

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• インボイスチェーン分科会がSTEP1報告書を公表
• 企業間取引の標準化プラットフォームの基本案を提示
• 既存システムを活用した業務効率化を目指す

企業間取引の標準化に向けたインボイスチェーン分科会の報告書公開

株式会社ディーカレットDCPが事務局を務めるデジタル通貨フォーラムのインボイスチェーン分科会は、企業間取引の標準化を目指すプラットフォーム構築の基本案を2025年2月19日に公表した。インボイスチェーンは受発注システムから会計システムまでを繋ぎ、シームレスな企業間取引を実現するプラットフォームとして期待されている。^[1]

デジタル通貨フォーラムには119の企業・自治体・団体が参加しており、社会や業界課題の解決を目指すオールジャパンの取り組みとなっている。インボイスチェーン分科会では、業種やEDI利用の有無を問わずプラットフォームに取り込むべきデータ項目および標準化の考えを取りまとめた『インボイスチェーン分科会 STEP1報告書』を作成したのだ。

インボイスチェーン分科会は、ソフトウェアベンダーや小売・メーカー・卸など様々な業種から17の企業・団体が参加する業界横断型の分科会である。ブロックチェーン技術を活用した業界標準システムの構築およびDCJPYによる課題解決の可能性を検討するため、2024年5月に発足している。

インボイスチェーン分科会STEP1報告書の概要

報告書の詳細はこちら

EDIについて

EDIとは、Electronic Data Interchangeの略称で、企業間での取引に関する情報を標準的な規約に基づき、コンピュータを使って電子的に交換する仕組みのことを指す。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。

• 標準化された形式での企業間データ交換が可能
• 受発注業務の効率化とペーパーレス化を実現
• 人的ミスの削減とコスト削減に貢献

現在、企業間の情報交換の効率化のために業界別標準EDIやPeppolなどの規格が整備されている。受発注業務に関わる企業間データ交換は大手企業を中心に整備が進んでいるが、受発注業務システムと会計システムは十分な連携ができておらず、手動での対応が必要な状況が続いているのだ。

インボイスチェーンのプラットフォーム構想に関する考察

インボイスチェーンが目指す企業間取引の標準化は、業界を超えた効率化という点で画期的な取り組みである。特にEDI未利用企業も含めた包括的なアプローチは、中小企業のデジタル化促進にも寄与する可能性を秘めているのだ。一方で、既存システムとの互換性確保や導入コストの問題は、普及における大きな課題となるだろう。

インボイスチェーンの成功には、参加企業の積極的な協力と継続的な技術革新が不可欠である。特にブロックチェーン技術とDCJPYの活用は、取引の透明性向上とコスト削減に大きな可能性を持つが、セキュリティ面での懸念も完全には払拭できていない状況だ。

今後は、より多くの企業の参加を促進し、実証実験を重ねることで、プラットフォームの実用性を高めていく必要がある。インボイスチェーンの社会実装が実現すれば、日本の企業間取引の在り方を大きく変革し、経済活動の効率化に貢献することが期待できるだろう。

参考サイト

1. ^ PR TIMES. 「インボイスチェーン分科会が商取引の標準化を目指したプラットフォームの構築に向け、基本案を取りまとめた報告書を公表 | 株式会社ディーカレットDCPのプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000042.000094264.html, (参照 25-02-20).

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