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公開：2025-02-15

理研とQuantinuumが量子コンピュータ「黎明」の設置完了を発表、富岳との連携で新時代へ

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• 量子コンピュータ「黎明」の設置完了を発表
• 理研和光キャンパスでの運用開始を実現
• 富岳との連携による量子HPCプラットフォーム構築へ

量子コンピュータ「黎明」の理研和光キャンパスへの設置完了

世界最大の総合量子コンピュータ企業Quantinuumと理化学研究所は2025年2月12日、量子コンピュータ「黎明」の理化学研究所和光キャンパスへの設置完了を発表した。理化学研究所はイオントラップ型量子コンピュータ用に世界トップクラスの施設を設計・構築しており、将来的な高性能量子システムの実現に向けた基盤が整備された。^[1]

量子コンピュータ「黎明」は量子ビットを物理的に移動できる独自のアーキテクチャを採用しており、これまで困難だった研究開発への道を切り拓く革新的なシステムとなっている。理化学研究所が運用するスーパーコンピュータ「富岳」との連携により、従来のスーパーコンピュータの能力を超える計算に取り組める環境が整備されつつある。

本プロジェクトは経済産業省傘下のNEDOが委託したプロジェクトの一環として実施されており、2025年内の統合された量子HPCハイブリッドプラットフォームの構築を目標としている。Quantinuumは理化学研究所の研究者らと協力し、この革新的なハイブリッド環境での様々なアプリケーションの最適化に取り組んでいく。

量子コンピュータ「黎明」の主要機能まとめ

イオントラップ型量子コンピュータについて

イオントラップ型量子コンピュータとは、個々のイオンを電磁場で捕捉し制御することで量子計算を実現する方式のことを指す。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。

• イオンを電磁場で空中に浮かせて制御する独自の技術
• 量子ビットの長時間保持が可能な安定性
• 高精度な量子操作による高い計算精度

「黎明」に採用されているイオントラップ方式は、量子ビットの物理的な移動が可能という特徴を持っており、この機能により複雑な量子計算の実現性が高まっている。理化学研究所の世界トップクラスの施設と組み合わさることで、量子コンピューティング技術の更なる発展が期待できる。

量子コンピュータ「黎明」の設置に関する考察

量子コンピュータ「黎明」の設置完了は、日本の量子コンピューティング研究における重要なマイルストーンとなった。特にスーパーコンピュータ「富岳」との連携により、従来のコンピューティングと量子コンピューティングを組み合わせた新しい計算パラダイムの確立が期待される。

今後の課題として、量子ビットのコヒーレンス時間の延長や量子エラー訂正の実装などが挙げられる。これらの技術的課題に対しては、理化学研究所の持つ高度な研究環境と、Quantinuumの量子コンピューティング技術を組み合わせることで、革新的な解決策が見出される可能性が高い。

将来的には、物理学や化学分野での応用に加え、機械学習や暗号技術など幅広い分野での活用が期待される。特に日本国内の研究者がアクセスしやすい環境が整備されたことで、量子コンピューティング分野における日本の競争力強化につながるだろう。

参考サイト

1. ^ クオンティニュアム株式会社. 「量子コンピュータ「黎明」が理化学研究所で本格稼働、量子ハイブリッド高性能コンピューティング新時代を切り拓く ～理化学研究所の世界最高水準の施設に設置された量子コンピュータ「黎明」は、物理、化学、その他の応用分野における量子コンピューティング技術の進歩をリード～ ｜ Quantinuum – クオンティニュアム株式会社」. https://quantinuum.co.jp/20250212-2/, (参照 25-02-15).
2. 経済産業省. https://www.meti.go.jp/index.html

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