KDDIがクラスタ型ルーターの技術検証を完了、バックボーンネットワークの柔軟な拡張性向上へ前進
記事の要約
- KDDIがクラスタ型ルーターの技術検証を完了
- バックボーンネットワークへの適用に向けた重要な進展
- 2025年度中に商用運用開始を目指す取り組み
KDDIのクラスタ型ルーター技術検証が成功
KDDI株式会社は2025年2月19日、柔軟な容量拡張が可能なクラスタ型ルーター(DDBR: Distributed Disaggregated Backbone Router)のバックボーンネットワーク適用に向けた技術検証を2月14日に完了したことを発表した。KDDIはAI時代のトラフィック増大に対応するため、主要4拠点の商用バックボーンネットワークに本ルーターで構成されるスケールアウトネットワークを導入する方針を明らかにしている。[1]
クラスタ型ルーターは従来のシャーシ型ルーターと異なり、ハードウエアとソフトウエアが分離しているため、筐体のスロット数などの制約を受けずに必要な機器の増設を迅速に行うことが可能となっている。KDDIはこの技術検証で、ルーティング機能検証、パケット処理性能検証、相互接続検証などを実施し、商用バックボーンネットワークでの実用性を確認することに成功した。
KDDIは2020年からクラスタ型ルーターに関する取り組みを進めており、2023年6月にはインターネットゲートウェイピアリング用として商用導入を開始している。本技術検証の成果は2025年3月3日から6日までスペインで開催される世界最大のモバイル関連展示会「MWC Barcelona 2025」において展示される予定となっている。
クラスタ型ルーターの特徴まとめ
項目 | 詳細 |
---|---|
技術検証完了日 | 2025年2月14日 |
主な特徴 | ハードウエアとソフトウエアの分離、柔軟な容量拡張が可能 |
商用導入実績 | 2023年6月よりインターネットゲートウェイピアリング用として導入開始 |
商用バックボーン導入計画 | 2025年度中に主要4拠点へ導入、2027年度までに全国展開完了予定 |
技術展示予定 | MWC Barcelona 2025(2025年3月3日〜6日) |
DDRBについて
DDBR(Distributed Disaggregated Backbone Router)とは、ハードウエアとソフトウエアを分離した新しい形態のルーターを指す技術であり、以下のような特徴を持っている。
- 柔軟な容量拡張性を実現する分散型アーキテクチャー
- トラフィック要件に応じた迅速な機器増設が可能
- 冗長性の向上によるネットワーク信頼性の強化
従来のシャーシ型ルーターでは、容量拡張時にシャーシ単位での増設が必要となり、更改タイミングがハードウエアに依存して長期化するという課題があった。DDRBはこれらの課題を解決し、AI時代における急速なトラフィック増大やニーズの多様化に対応可能な次世代ネットワークインフラの基盤となる技術である。
クラスタ型ルーターの技術検証に関する考察
クラスタ型ルーターの技術検証完了は、次世代のネットワークインフラ構築において重要な一歩となるだろう。特にAI時代における急速なトラフィック増大に対して、柔軟な容量拡張が可能なDDBRは効果的な解決策となる可能性が高い。
一方で、新しいアーキテクチャーの導入には運用面での課題も予想される。従来のシャーシ型ルーターとは異なる運用ノウハウの蓄積が必要となり、運用チームの教育や体制整備が重要な課題となるだろう。
今後はマルチベンダー環境における相互運用性の向上や、運用自動化技術の発展が期待される。KDDIのような大手通信事業者による実践的な取り組みは、ネットワークのオープン化や標準化の促進に大きく貢献するものと考えられる。
参考サイト
- ^ KDDI. 「柔軟な容量拡張を実現するクラスタ型ルーターのバックボーン向け技術検証を完了 | KDDI News Room」. https://newsroom.kddi.com/news/detail/kddi_nr-447_3723.html, (参照 25-02-21).
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