MicrosoftがVisual StudioとVS CodeのRazor機能を強化、Extract to ComponentとRoslyn C# tokenizerでコード編集の効率が向上

text: XEXEQ編集部
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)


記事の要約

  • Visual Studio 17.12でExtract to Component機能を追加
  • Roslyn C# tokenizerで文字列処理機能を強化
  • コード編集の効率性とユーザビリティが向上

Visual Studio 17.12とVisual Studio CodeのRazor機能強化

MicrosoftはRazorファイル編集の生産性向上を目指し、Visual Studio 17.12向けに新機能のExtract to Componentを2025年2月13日にリリースした。この機能により、開発者はコードを選択してライトバルブリファクタリング機能を使用することで、新しいRazor/Blazorコンポーネントを自動生成することが可能になった。[1]

新しいRoslyn C# tokenizerの導入により、raw string literalsやverbatim interpolated stringsなどの高度な文字列処理機能がRazorファイルで利用可能になった。これによりC#のプリプロセッサディレクティブの処理が改善され、開発者の開発効率が大幅に向上している。

Roslyn C# tokenizerは.NET 10で正式にデフォルト設定となる予定だが、Visual Studio 17.13とVisual Studio CodeのNET 9ユーザーは現時点でも利用可能だ。設定の有効化にはIDEのPreview Featuresオプションと.csprojファイルの設定変更が必要となっている。

Razorの新機能まとめ

Extract to Component Roslyn C# Tokenizer
主な機能 コンポーネントの自動生成 高度な文字列処理
対応バージョン Visual Studio 17.12 Visual Studio 17.13, VS Code (.NET 9)
実装状況 基本的なHTML抽出に対応 プレビュー機能として利用可能

Razorコンポーネントについて

Razorコンポーネントとは、Blazorフレームワークで使用される再利用可能なUIの構成要素のことを指す。主な特徴として以下のような点が挙げられる。

  • HTMLとC#コードを組み合わせた開発が可能
  • 独立したファイルとして管理可能
  • パラメータを通じてデータの受け渡しが可能

Razorコンポーネントはウェブアプリケーション開発における再利用性と保守性を高める重要な要素となっている。Extract to Component機能の追加により、既存のコードからコンポーネントを簡単に作成できるようになり、開発効率の向上が期待できる。

Extract to Componentに関する考察

Extract to Component機能の導入は、Blazorアプリケーション開発における大きな進歩となる可能性を秘めている。コンポーネントの抽出プロセスを自動化することで、開発者は煩雑な手作業から解放され、より本質的な開発タスクに集中できるようになるだろう。ただし、現時点ではHTML主体の基本的な抽出シナリオのみの対応となっており、実務での活用には一定の制限があるのが現状だ。

今後の課題として、変数の依存関係やC#コードの適切な抽出、パラメータの自動設定などの高度な機能の実装が挙げられる。これらの機能が追加されることで、より複雑なコンポーネントの抽出や、既存コードのリファクタリングがより効率的に行えるようになるだろう。Microsoftには継続的な機能改善とユーザーフィードバックの反映を期待したい。

また、Roslyn C# tokenizerとの統合により、より柔軟なコンポーネント設計が可能になることも期待される。新しい文字列処理機能を活用することで、より読みやすく保守性の高いコンポーネントの作成が可能になるはずだ。両機能の相乗効果により、Blazor開発の生産性は更に向上するだろう。

参考サイト

  1. ^ Microsoft Visual Studio. 「New Features for Enhanced Razor Productivity! - .NET Blog」. https://devblogs.microsoft.com/dotnet/enhancing-razor-productivity-with-new-features/, (参照 25-02-15).
  2. Microsoft. https://www.microsoft.com/ja-jp

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