リブル社がシリーズA資金調達を実施、牡蠣養殖のDX化と三倍体種苗生産の拡大へ

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

PR TIMES より

記事の要約

リブル社がシリーズA資金調達を実施
三倍体種苗の生産力拡大と自社漁場の拡大
スマート牡蠣養殖システムの展開拡大

リブル社の資金調達と牡蠣養殖技術革新

株式会社リブルは2024年8月19日、シリーズAでの資金調達を実施したことを発表した。この資金は主に三倍体種苗の生産力拡大、自社漁場の生産量拡大、スマート牡蠣養殖システム「Oysmart」の展開エリア拡大、養殖データを活用した新サービスの開発に充てられる。リブル社は牡蠣の人工種苗生産から養殖技術のDXまでを一貫して手掛ける企業だ。^[1]

三倍体種苗の生産においては、2022年から取り組んできた研究開発の完了目処が立ち、業界最大規模の3,000万貝規模まで引き上げる設備投資を行う。また、2023年度末には大分県漁業協同組合の組合員加入承認を得て、大分県の広大な干潟漁場を利用可能になり、成品生産能力の拡大に投資する計画だ。

さらに、自社のスマート牡蠣養殖システム「Oysmart」を通して蓄積した養殖データを基に、東かがわ市x引田漁協、蒲郡市x三谷漁協、愛媛県をはじめとする沿岸自治体との官民協働事業に着手している。リブル社は「いつでも、だれでも、どんな海でも」持続可能な養殖ができる技術の普及を追求し、「海の豊かさを守る」取り組みを続けていく方針だ。

リブル社の資金調達と新技術導入まとめ

	三倍体種苗生産	自社漁場拡大	スマート養殖システム
主な目的	生産力拡大	成品生産能力拡大	養殖データ活用
具体的な計画	3,000万貝規模へ	大分県干潟漁場利用	官民協働事業展開
期待される効果	業界牽引	生産量増加	持続可能な養殖実現

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三倍体種苗について

三倍体種苗とは、生き物が通常二組持つ染色体を三組持つ「産卵しない」牡蠣のことを指しており、主な特徴として以下のような点が挙げられる。

卵を作らないため身痩せすることがない
通年で出荷が可能
種なしブドウや種なしスイカと同様の原理

リブル社は三倍体種苗の生産力拡大に注力しており、2022年から取り組んできた研究開発の完了目処が立っている。今回の資金調達により、業界最大規模の3,000万貝規模まで生産力を引き上げる設備投資に踏み出す計画だ。この取り組みにより、養殖業の川上部分である種苗分野から業界を牽引することを目指している。

リブル社の資金調達と牡蠣養殖技術革新に関する考察

リブル社の取り組みは、日本の水産業が抱える慢性的な人材不足や気候変動への対応といった課題解決に大きく貢献する可能性がある。特に三倍体種苗の大規模生産は、通年出荷を可能にし、牡蠣養殖産業の安定化と効率化をもたらすだろう。一方で、遺伝子操作を伴う技術に対する消費者の理解や受容が課題となる可能性もあるため、丁寧な情報発信と安全性の実証が重要になるだろう。

スマート牡蠣養殖システム「Oysmart」の展開は、養殖業のデジタル化を加速させる可能性が高い。データ駆動型の養殖管理により、生産性の向上と環境負荷の低減が期待できる。今後は、AIやIoT技術のさらなる活用により、気象条件や海水温の変化に応じた最適な養殖管理手法の開発が進むことが期待される。

リブル社の官民協働事業への取り組みは、地域の水産業活性化のモデルケースとなる可能性がある。今後は、他の水産物への応用や、国際的な展開も視野に入れた技術開発が期待される。また、養殖データを活用した新サービスの開発により、水産業と他産業との連携が生まれ、新たな付加価値創出につながる可能性もあるだろう。

参考サイト

^ PR TIMES. 「牡蠣の種苗生産から養殖技術DXまでを手掛ける株式会社リブルがシリーズAでの資金調達を実施 | 株式会社リブルのプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000012.000093960.html, (参照 24-08-20).

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