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公開：2025-03-14

NTT Comら3社がモビリティリゾートもてぎでローカル5G実証実験を実施、高精細・低遅延な映像伝送システムの構築へ

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• 3社がモビリティリゾートもてぎでローカル5G実証実験を実施
• 高速移動車両からの高精細・低遅延映像伝送を検証
• サーキットコース全域での高品質無線通信環境を構築

NTT Comら3社がローカル5Gによる映像伝送実験を実施

NTTコミュニケーションズ株式会社、アルプスアルパイン株式会社、双日テックイノベーション株式会社は2025年3月11日、栃木県茂木町のモビリティリゾートもてぎにおいてローカル5Gを用いた高精細・低遅延なオンボード映像伝送の実証実験を実施したと発表した。本実験では、サーキットコース全域での高品質な無線通信の実現を目指し、ローカル5Gの実験環境を構築している。^[1]

現在サーキット場では、車両や設備のセンサーデータの伝送、トランシーバーなどの無線機の利用、売店でのキャッシュレス決済、車載カメラからの映像伝送など、さまざまな用途で無線通信が活用されている。近年ではレースカーのオンボード映像をリアルタイムで活用した臨場感のあふれるレース観戦が要望されるなど、サーキットコース全域においてより高品質な無線通信が求められているのだ。

本実証では、キャリア5Gとは異なる周波数帯を専有可能なローカル5Gシステムを構築することで、来場者が多い場合でもサーキット場内の運営において安定した無線通信の実現を目指している。また広大なレース会場における電波の届きにくい場所への対応として、建物やトンネル、地面の勾配などを考慮したチューニングを実施した。

ローカル5G実証実験の詳細

ローカル5Gについて

ローカル5Gとは、企業や自治体などの組織が自前で構築・運用できる5Gシステムのことを指す。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。

• キャリア5Gとは異なる専用の周波数帯を利用可能
• 限定されたエリアで高品質な無線通信を実現
• 独自の用途に特化したカスタマイズが可能

一般的なローカル5Gシステムでは、基地局と5Gコアを光ケーブルなどの物理線で接続するが、環境によっては物理線での接続が困難な場合もある。そのような状況に対応するため、ミリ波帯無線システムを用いた接続方式の検討も進められている。

ローカル5G実証実験に関する考察

本実証実験で構築されたローカル5Gシステムは、サーキット場特有の課題解決に大きく貢献する可能性を秘めている。特に数万人規模の来場者が集まるイベント時においても、安定した無線通信環境を提供できる点は、サーキット場の運営効率化とユーザー体験の向上に直結するだろう。

一方で、高速移動する車両からの映像伝送においては、基地局間のハンドオーバーの最適化が重要な課題となる。従来のキャリア5Gでは対応が難しかった高速移動時の通信品質維持について、本実証実験で得られた知見を活かした改善が期待される。

今後は高精細・低遅延なオンボード映像の配信だけでなく、監視・警備・点検などさまざまなユースケースへの展開も視野に入れている。ミリ波帯無線システムを活用したローカル5Gの実用化に向けた取り組みは、新たな価値創造の可能性を広げるものと言えるだろう。

参考サイト

1. ^ NTT. 「ローカル5Gを用いた高精細・低遅延なオンボード映像伝送の実証実験を実施」. https://www.ntt.com/about-us/press-releases/news/article/2025/0311.html, (参照 25-03-14).

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