オープンソース仮想化ソフトQEMU v10.0.0が公開、211人の開発者から2,800以上のコミットを実装し機能を強化
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記事の要約
- QEMU v10.0.0が4月22日に公開
- 211人の開発者から2,800以上のコミットを実装
- 各種プラットフォームの機能を強化
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オープンソース仮想化ソフトウェアQEMU v10.0.0のメジャーアップデート内容
オープンソースの仮想化ソフトウェアQEMUの開発チームは、メジャーアップデートとなるバージョン10.0.0を2024年4月22日に公開した。本バージョンには211人の開発者から寄せられた2,800以上のコミットが含まれており、仮想化環境の機能強化が大幅に進められている。[1]
QEMUのブロックデバイス機能では、virtio-scsiマルチキューのサポートが追加され、各キューに対して異なるI/Oスレッドを使用した処理が可能になった。さらにVFIO機能においては、Intel Gen 11/12デバイスのIGDパススルーサポートが改善され、仮想化環境でのグラフィックス処理性能が向上している。
QEMUのドキュメント面では、QEMU Machine Protocolに関する文書が大幅に改善され、すべてのコマンド、イベント、タイプがクリック可能なリンクで相互参照できるようになった。また、各種プラットフォームのサポートも強化され、ARM、HPPA、LoongArch、RISC-V、s390x、x86など幅広いアーキテクチャで新機能が追加されている。
QEMU v10.0.0の機能強化まとめ
分野 | 主な改善点 |
---|---|
ブロックデバイス | virtio-scsiマルチキューサポート、各キューに対する個別I/Oスレッド処理 |
VFIO | Intel Gen 11/12デバイスのIGDパススルー機能改善 |
ドキュメント | QEMU Machine Protocolの文書改善、クリック可能な相互参照リンク |
ARM | EL2物理/仮想タイマー、FEAT_AFP/RPRES/XS機能のサポート |
x86 | Clearwater ForestとSierra Forest v2のCPUモデルサポート |
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仮想化について
仮想化とは、物理的なハードウェアリソースを論理的に分割し、複数の独立した仮想環境として利用可能にする技術のことを指す。主な特徴として以下のような点が挙げられる。
QEMUは高度な仮想化機能を提供するオープンソースソフトウェアで、ARM、x86、RISC-Vなど多様なアーキテクチャをエミュレート可能である。QEMUの特徴として、ハードウェアの完全仮想化とKVMを利用した準仮想化の両方をサポートしており、開発環境からサーバー環境まで幅広い用途で活用されている。
QEMU v10.0.0に関する考察
QEMU v10.0.0では多数の開発者からの貢献により、仮想化環境の基盤となる重要な機能が強化されている。特にvirtio-scsiマルチキューのサポートは、I/O処理の並列化によってストレージパフォーマンスの向上が期待でき、大規模な仮想化環境での運用効率化に貢献するだろう。
Intel Gen 11/12デバイスのIGDパススルー機能の改善は、グラフィックス処理を必要とする仮想環境での活用の幅を広げる可能性がある。ただし、ハードウェアの互換性や性能に関する十分な検証が必要となり、実運用環境への導入には慎重な評価が求められるだろう。
QEMUの各プラットフォームでの機能強化は、クロスプラットフォーム開発やシステム検証の効率化につながる重要な進展である。今後はクラウドネイティブ環境との連携強化や、コンテナ技術との統合による新たな活用シーンの創出が期待されるだろう。
参考サイト
- ^ QEMU. 「QEMU version 10.0.0 released - QEMU」. https://www.qemu.org/2025/04/23/qemu-10-0-0/, (参照 25-04-26). 2079
- Intel. https://www.intel.co.jp/content/www/jp/ja/homepage.html
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