セキュリティ

SECURITY

公開：2025-05-09

【CVE-2024-13420】G5Theme製Smart Frameworkプラグインに認証不備の脆弱性、複数バージョンでリスク発生

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• Smart Frameworkの複数プラグインに認証不備の脆弱性
• 認証済みユーザーによる設定変更が可能な状態
• Envatoに報告後も一部脆弱性が残存

G5Theme製Smart Frameworkプラグインの認証不備に関する脆弱性

WordFenceは2025年5月2日、G5Theme社が開発するWordPress用Smart Frameworkの複数プラグインにおいて認証不備の脆弱性を発見したことを公開した。この脆弱性は【CVE-2024-13420】として識別されており、Subscriber以上の権限を持つ認証済みユーザーがプラグインやテーマの設定を変更できる状態となっていることが判明している。^[1]

影響を受けるプラグインは、Benaa Framework 4.0.0以前、April Framework 5.1以前、Beyot Framework 6.0.6以前、そしてAuteur Framework 7.1以前のバージョンとなっている。脆弱性の深刻度はCVSS v3.1で4.3（MEDIUM）と評価され、攻撃元区分はネットワーク、攻撃条件の複雑さは低いとされている。

この脆弱性は、'gsf_reset_section_options'や'gsf_create_preset_options'などの複数のAJAXアクションにおける権限チェックの欠如に起因している。Envatoへの報告から2ヶ月以上が経過しているにもかかわらず、一部のパッチ適用後も脆弱性が残存している状態が続いているとされている。

影響を受けるプラグインまとめ

AJAXアクションについて

AJAXアクションとは、Webページを更新することなくサーバーとデータのやり取りを行うための非同期通信の仕組みのことを指す。主な特徴として以下のような点が挙げられる。

• ページ全体を再読み込みせずにデータ更新が可能
• サーバーとクライアント間で非同期通信を実現
• ユーザーエクスペリエンスの向上に貢献

WordPressにおけるAJAXアクションは、プラグインやテーマの機能を拡張する重要な要素となっている。今回の脆弱性では、AJAXアクションの権限チェックが適切に実装されていなかったため、認証済みユーザーによる不正な設定変更が可能な状態となっていた。

Smart Framework脆弱性に関する考察

Smart Frameworkの複数プラグインに発見された認証不備の脆弱性は、WordPressサイトのセキュリティ管理における重要な課題を浮き彫りにしている。プラグインやテーマの開発において、適切な権限チェックの実装は基本的な要件であるにもかかわらず、今回のような脆弱性が発見されたことは、開発プロセスにおけるセキュリティレビューの重要性を再認識させる結果となった。

今後の課題として、開発者側でのセキュリティテストの強化とともに、脆弱性発見後の迅速な対応体制の構築が必要となるだろう。Envatoへの報告から2ヶ月以上が経過してもなお、完全な修正が行われていない状況は、セキュリティインシデント対応の改善が急務であることを示している。

また、WordPressエコシステム全体として、プラグインやテーマのセキュリティ品質を担保するための仕組みづくりも重要な検討課題となる。脆弱性スキャンの自動化やコードレビューの強化など、preventative securityの観点からの取り組みが今後ますます重要になっていくだろう。

参考サイト

1. ^ CVE. 「CVE Record: CVE-2024-13420」. https://www.cve.org/CVERecord?id=CVE-2024-13420, (参照 25-05-09).
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