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NEDO、2040年以降の新産業創出に向けたフロンティア育成事業を開始、11件の研究テーマを採択

text: XEXEQ編集部
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)

NEDO、2040年以降の新産業創出に向けたフロンティア育成事業を開始、11件の研究テーマを採択

PR TIMES より


記事の要約

  • NEDOが2040年以降の新産業創出に向けた「フロンティア育成事業」を開始
  • 極限マテリアルと地下未利用資源の活用をフロンティア領域に特定し、11件の研究開発テーマを採択
  • 2名のプログラムディレクターを指名し、技術開発から社会実装まで一貫して推進

NEDOフロンティア育成事業始動、11件の研究開発テーマ採択

NEDOは2025年5月23日、2040年以降の新産業創出を目指した「フロンティア育成事業」を開始したと発表した。この事業は、国として新たに取り組むべきフロンティア領域の研究開発および事業化を推進するもので、脱炭素社会の実現と新産業の創出を目指すのだ。

今回、フロンティア領域として「極限マテリアル」と「地下未利用資源の活用」の2つが特定された。極限マテリアル領域では高温超電導とパワーレーザー、地下未利用資源の活用領域では天然水素が研究課題として設定されている。これらの研究課題に対して、合計11件の研究開発テーマが採択されたのだ。

NEDOは各領域にプログラムディレクター(PD)を配置し、研究の進捗管理に加え、事業化の可能性や出口戦略の検討も行う。これにより、国家プロジェクトへの発展やスタートアップの創出など、研究成果の社会実装を加速させることを目指している。2040年頃の社会実装を見据え、脱炭素と経済成長の両立を実現する革新的技術の育成と、持続可能な産業基盤の構築に貢献する予定だ。

採択テーマ一覧

領域 研究課題 採択テーマ名 実施予定先
極限マテリアル 高温超電導 産業用高温超電導電磁石開発に資する集合導体化技術の開発 学校法人関西学院/国立大学法人九州大学
極限マテリアル 高温超電導 高温超電導スパイラル集合導体の極限長尺化技術の開発 株式会社フジクラ/国立研究開発法人産業技術総合研究所
極限マテリアル 高温超電導 産業用レアアース系高温超電導導体の開発 古河電気工業株式会社/国立研究開発法人産業技術総合研究所/国立大学法人京都大学/大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構
極限マテリアル パワーレーザー 半導体レーザーの極限的な高出力化の研究開発 浜松ホトニクス株式会社
極限マテリアル パワーレーザー 超高レーザー耐力および超低損失ガスオプティックスの研究開発 国立大学法人電気通信大学
極限マテリアル パワーレーザー 多層接合と革新的材料技術で切り拓く高出力パルスレーザーの開発 株式会社EX-Fusion
地下未利用資源の活用 天然水素 超塩基性岩からの天然水素回収・生成増進に関する研究開発 国立大学法人東北大学
地下未利用資源の活用 天然水素 日本の天然水素ポテンシャル評価と人工増進技術の研究開発 ENEOS Xplora株式会社
地下未利用資源の活用 天然水素 天然水素生成や増進回収における要因解明に係る研究開発 国立大学法人北海道大学
地下未利用資源の活用 天然水素 水素生成可能な岩石の探索と増進を踏まえた評価に係る研究開発 国立研究開発法人産業技術総合研究所
地下未利用資源の活用 天然水素 九州地域の天然水素資源開発に関する研究開発 国立大学法人九州大学
NEDO公式サイト

プログラムディレクターについて

本事業では、2名のプログラムディレクター(PD)が指名されている。PDは、各フロンティア領域における研究開発課題の探索・選定を行い、技術開発から社会実装に至るまでの戦略を策定する役割を担う。

  • 藤本辰雄氏(極限マテリアル領域)
  • 仁木栄氏(地下未利用資源の活用領域)

両氏は、それぞれの専門分野における豊富な経験と高い指導力、交渉力を有しているのだ。

フロンティア育成事業に関する考察

本事業は、日本の研究開発から事業化に至る割合が少ないという課題への対応策として非常に重要だ。特に、需要の不確実性が高いGX分野において、事業リスクへの早期対応を可能にする点が評価できる。しかし、巨額の研究開発設備投資が必要となるなど、リスクも伴うだろう。

今後、研究開発の進捗状況や社会実装への影響を注視していく必要がある。また、PDの役割が重要となるため、PDの選定や育成にも力を入れるべきだ。さらに、民間企業との連携強化も不可欠であり、官民連携によるイノベーション創出が成功の鍵となるだろう。

天然水素や高温超電導などの革新的技術の開発は、脱炭素社会の実現に大きく貢献する可能性を秘めている。これらの技術が社会実装されれば、経済成長と環境保全の両立に繋がるだろう。そのため、本事業の成功を祈念し、今後の進展に期待したい。

参考サイト

  1. ^ PR TIMES. 「2040年以降の新産業の創出に向けた「フロンティア育成事業」が始動しました | 国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000178.000135644.html, (参照 25-05-24).
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