国際興業バスがレトロフィットEVバスの運行を開始、池袋駅西口発の路線で関東初の取り組み

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

PR TIMES より

記事の要約

国際興業がレトロフィットEVバスを運行開始
池袋駅西口発の路線で関東初の運行
ディーゼルバスをEV化し、CO2排出削減を実現

国際興業バスがレトロフィットEVバスの運行を開始

国際興業株式会社は、2024年9月9日より関東で初となるレトロフィットEVバスの運行を開始した。このバスは、約13年間使用されたディーゼルエンジンのノンステップバスをEV化した車両であり、台湾の電気バスメーカーRAC Electric Vehicles Inc.が改造を実施している。住友商事や西日本鉄道などの協力を得て、いすゞ製バスで初のEV化改造を実現したのだ。^[1]

レトロフィットEVバスは、池袋駅西口発の路線で運行されることになっており、高島平操車場や高島平駅行きの系統で利用される。この取り組みは、国際興業の脱炭素化への取り組みの一環であり、2050年カーボンニュートラル実現に向けた重要なステップとなっている。既存のディーゼルバス比で年間約48％のCO2排出削減を見込んでおり、環境負荷の低減に大きく貢献するだろう。

また、国際興業は池袋営業所に新たに急速充電器を設置し、EVバスの運用をサポートする体制を整えている。充電器はCHAdeMO準拠の60kW型で、2口の充電が可能となっている。これにより、効率的な充電管理が可能となり、EVバスの安定的な運行を支える重要な設備となるだろう。

レトロフィットEVバスの特徴まとめ

項目	詳細
運行開始日	2024年9月9日
運行路線	[池20]池袋駅西口～高島平操車場、[池21]池袋駅西口～高島平駅
車両型式	いすゞエルガノンステップバス PKG-LV234L2（平成22年式）
駆動用機器	リチウムイオンバッテリー（容量280kW）、電動モーター（最大出力320kW）
EV化改造会社	RAC Electric Vehicles Inc.
充電器	車王電子製 CG-008（60kW）、充電口2口、CHAdeMO準拠

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レトロフィットについて

レトロフィットとは、既存の構造や機器を新しい技術や部品で更新・改良することを指す。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。

既存設備の性能や機能を向上させる
新規導入よりもコスト効率が高い場合がある
環境負荷の低減に貢献できる

レトロフィットEVバスの場合、既存のディーゼルバスのエンジン部分をEV化し電気バスに改造することで、CO2排出量の大幅な削減を実現している。国際興業の事例では、既存のディーゼルバス比で年間約48％のCO2排出削減を見込んでおり、環境保護と既存資源の有効活用を両立させる innovative な取り組みとなっている。

レトロフィットEVバスの運行開始に関する考察

国際興業によるレトロフィットEVバスの運行開始は、公共交通機関の脱炭素化に向けた重要な一歩だ。既存のディーゼルバスを活用することで、新規のEVバス購入に比べてコストを抑えつつ、環境負荷を大幅に低減できる点が高く評価できる。また、いすゞ製バスで初のEV化改造を実現したことは、今後の技術展開の可能性を広げる意味でも重要な成果と言えるだろう。

一方で、EVバスの運行に伴い、充電インフラの整備や運行スケジュールの調整など、新たな課題も浮上する可能性がある。特に、長距離路線や山間部などでの運用においては、バッテリー容量や充電時間の問題が顕在化する可能性があり、これらの課題に対する継続的な技術改善と運用ノウハウの蓄積が求められるだろう。また、レトロフィットによる改造の耐久性や安全性の長期的な検証も必要となる。

今後は、レトロフィットEVバスの運行データを積極的に収集・分析し、更なる効率化や性能向上につなげていくことが期待される。加えて、他の交通事業者との情報共有や、地方自治体との連携強化により、EVバスの普及を加速させることが重要だ。将来的には、自動運転技術との融合や、再生可能エネルギーを活用した充電システムの導入など、より advanced な公共交通システムの構築に向けた取り組みにも期待したい。