電気通信大学が植物の成長を活用したロボットを開発、環境に優しい新技術の可能性を示す

text: XEXEQ編集部
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記事の要約

植物の成長を利用したロボットを開発
移動や物体操作が可能な植物ロボット
環境に優しく持続可能なロボットの実現

電気通信大学が植物の成長を活用したロボットを開発

電気通信大学の研究グループは2024年10月10日、植物の成長に伴う物理的な変位と力をロボットのアクチュエータとして活用し、移動や物体の操作が可能な植物ロボットを開発したと発表した。このロボットは、カイワレダイコンをモデル植物として使用し、その成長によって生じる変位と力を解析することで実現された。環境に優しく持続可能なロボットの新しい形を提示している。^[1]

研究グループは、植物の成長による物理的変位をアクチュエータとして利用できる点に着目した。カイワレダイコンの変位、力、速度の観点からアクチュエーション特性の定量化を実施し、その結果に基づいて地上を回転移動するロボットとグリッパーの2種類を設計・製作した。実験の結果、これらのロボットが実際に移動し、物体を持ち上げたり置いたりできることを確認している。

この成果は、従来の機械的なアクチュエータとは異なる、環境に優しい新しいタイプのロボット実現への道を開くものとなっている。植物は多種多様であり、本研究の成果を応用することで、様々な形態の環境適応型ロボットが実現される可能性がある。また、植物の長期的な成長を利用することで、従来とは異なる時間スケールで動作するシステムの開発にもつながると期待されている。

植物ロボットの特徴と可能性

	移動ロボット	グリッパー
主な機能	地上の回転移動	物体の把持と操作
アクチュエータ	植物の成長による変位	植物の成長による力
環境への影響	生分解性、低環境負荷	生分解性、低環境負荷
動作スケール	長期的な成長に基づく	長期的な成長に基づく
応用可能性	環境モニタリング、探査	生態系保護、構造物自己構築

アクチュエータについて

アクチュエータとは、エネルギーを物理的な動きに変換する装置のことを指しており、主な特徴として以下のような点が挙げられる。

電気、油圧、空気圧などのエネルギーを運動エネルギーに変換
ロボットや機械の動力源として使用される
精密な動作制御が可能

植物ロボットでは、植物の成長による物理的変位をアクチュエータとして活用している。この手法は、従来の機械式アクチュエータとは異なり、自然のプロセスを利用することで環境への負荷を低減しつつ、長期的かつ持続可能な動作を実現できる。さらに、植物の種類によって異なる成長特性を活かすことで、多様な動作パターンや応用可能性を持つロボットの開発につながると期待されている。