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公開：2024-11-08

東京サステナブルシーフード・サミット2024が開催、水産業界の持続可能性と人権尊重に焦点

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• 東京サステナブルシーフード・サミット2024が開催
• サステナブルシーフードの水産流通主流化を目指す
• 国際的なIUU漁業対策と人権問題に焦点

東京サステナブルシーフード・サミット2024が掲げる新目標

シーフードレガシーと日経ESGは、2024年10月8日から10日にかけて東京サステナブルシーフード・サミット2024を開催し、のべ約940人が参加した。今回で10回目を迎えたサミットでは、2030年に向けた新目標として「サステナブルシーフードを日本の水産流通の主流にする」ことを掲げ、ネイチャーポジティブや世界食料安全保障、人権尊重をサブテーマとして設定している。^[1]

生物多様性に関連する機会とリスクの情報開示に対する社会的要請が高まっており、ESG投資との関連性が強まっている状況が浮き彫りとなった。世界的な人口増加に伴うタンパク質確保の課題に対し、水産物が重要な役割を果たすことが期待されているが、IUU漁業の横行が世界の食料安全保障を脅かす事態となっている。

日本は世界有数の水産市場大国であり、多様な漁法や魚種を特徴とする沿岸漁業国としての側面も持ち合わせている。マルチステークホルダー連携によってIUU漁業や人権侵害などのリスクを排除し、持続可能な水産業の実現を目指すとともに、アジア圏への展開も視野に入れている。

東京サステナブルシーフード・サミット2024の開催概要

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IUU漁業について

IUU漁業とは違法・無報告・無規制漁業のことを指しており、主な特徴として以下のような点が挙げられる。

• 世界の食料安全保障を脅かす重大な問題
• 労働者の人権侵害の温床となっている
• 国際的な規制や監視が必要とされる課題

日本にとって最大のマグロ供給元である台湾の遠洋マグロ延縄漁船では、インドネシア人乗組員の人権侵害が報告されており、現行制度では十分な対策が取れていない状況にある。環境や人権に関するデューディリジェンスの実施が重要視されており、より厳格な管理体制の構築が求められている。

サステナブルシーフードの主流化に関する考察

サステナブルシーフードの主流化には、水産業界全体での取り組みが不可欠である。特に日本は世界有数の水産物消費国であり、その影響力を活かして持続可能な漁業を推進する立場にあるが、既存の商慣習や価格競争の激化が改革の障壁となっている。

今後は環境負荷の低減と人権尊重を両立させた新しいビジネスモデルの構築が課題となるだろう。特にESG投資の観点から、企業の情報開示や透明性の確保が重要性を増しており、それに伴う業界全体のコスト増加への対応も必要となる。

サステナブルシーフードの市場拡大には、消費者の理解と支持が不可欠である。環境配慮型の水産物に対するプレミアム価格の受容や、トレーサビリティの確保による信頼性の向上が、今後の成長を左右する重要な要素となるだろう。

参考サイト

1. ^ PR TIMES. 「東京サステナブルシーフード・サミット2024閉幕！ | 株式会社シーフードレガシーのプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000049.000067392.html, (参照 24-11-08).

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