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公開：2024-12-20

通信事業者8社が大規模災害時のネットワーク早期復旧に向けた新協力体制を構築、船上基地局の活用で被災地支援を強化

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• 通信事業者8社がネットワークの早期復旧に向け協力体制を構築
• 大規模災害時に各社のアセットを共同利用し復旧活動を支援
• 船上基地局の活用でモバイルネットワークの早期復旧を実現

通信事業者8社による大規模災害時のネットワーク早期復旧体制の構築

NTTグループ、KDDI、ソフトバンク、楽天モバイルの8社は、大規模災害発生時におけるネットワークの早期復旧を目的とした新たな協力体制を2024年12月1日より運用開始した。この取り組みは総務省の情報通信審議会において能登半島地震での対応が評価され、各社のアセットの共同利用や船舶の活用を通じて、より強固な連携体制の構築を目指している。^[1]

各通信事業者は保有するアセットを共同利用することで、被災地のネットワーク復旧活動を相互に支援し早期復旧を実現する体制を整えた。特筆すべき点として、NTTグループとKDDI株式会社が保有するケーブル敷設船を活用し、通信設備や災害物資の搬送および船上基地局の展開を実施する枠組みにソフトバンクと楽天モバイルが参画することで、より広範な支援体制が構築された。

モバイル通信事業者と固定通信事業者の連携強化により、被害状況の把握やネットワークの復旧に必要な設備情報の共有が促進される。自治体や病院などの重要拠点をカバーするネットワークの障害箇所を特定し、携帯電話基地局向けの回線の復旧を迅速化することで、被災地のモバイルネットワークの早期復旧が可能となった。

大規模災害時の通信事業者間協力体制まとめ

船上基地局について

船上基地局とは、船舶に設置された移動式の通信基地局のことを指す。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。

• 海側からの通信エリアカバーが可能
• 被災地への迅速なアクセス提供を実現
• 複数の通信事業者による共同利用が可能

大規模災害時には陸上の通信設備が被害を受けることがあるため、船上基地局の活用は被災地の通信確保に重要な役割を果たす。NTTグループとKDDIが保有するケーブル敷設船にソフトバンクと楽天モバイルの船上基地局を設置することで、より効率的な通信サービスの提供が可能となった。

通信事業者間の協力体制に関する考察

通信事業者8社による協力体制の構築は、大規模災害時における通信インフラの復旧効率を飛躍的に向上させる可能性を秘めている。各社が保有するアセットを共同利用することで、リソースの最適化と迅速な対応が可能となり、被災地支援の質が格段に向上すると考えられる。

今後発生が予想される大規模災害に備え、より詳細な連携プロトコルの策定や定期的な合同訓練の実施が重要となるだろう。特に重要拠点の優先順位付けや復旧手順の標準化など、具体的なオペレーションレベルでの調整が課題となると考えられる。

さらなる連携強化に向けて、AIを活用した被害予測システムの導入や、ドローンなどの次世代技術の活用も検討に値する。通信事業者間の垣根を越えた技術革新と知見の共有が、より強靭な通信インフラの構築につながるはずだ。

参考サイト

1. ^ PR TIMES. 「大規模災害発生時におけるネットワークの早期復旧に向けた通信事業者間の協力体制を強化 | 東日本電信電話株式会社のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001082.000098811.html, (参照 24-12-20).
2. 総務省. https://www.soumu.go.jp/

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