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公開：2024-12-22

パナソニック エナジーとTOMATECが使用済み乾電池由来の微量要素肥料を共同開発、2024年度中に販売開始へ

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• パナソニック エナジーが使用済み乾電池のリサイクルプロセスを確立
• TOMATECと共同で乾電池由来の微量要素肥料を開発
• 2024年度中に乾電池由来の肥料を販売開始予定

パナソニック エナジーとTOMATECの乾電池リサイクル共同開発

パナソニック エナジー株式会社は、TOMATEC株式会社と共同で使用済み乾電池から分離した亜鉛やマンガンなどの成分を含む混合粉末を微量要素肥料の原料として活用するリサイクルプロセスを2024年9月に確立した。パナソニック エナジーは、使用済み乾電池をさまざまな資源として有効活用する方法を模索してきた経緯があり、微量要素肥料分野のパイオニアであるTOMATECとの協議を2023年から開始したのである。^[1]

このリサイクルプロセスでは、パナソニック エナジーが使用済み乾電池からブラックマスを分離し、TOMATECが独自のガラスフリット化技術を用いて熔成微量要素肥料化を行うという役割分担が明確になっている。農業分野における乾電池リサイクルはパナソニック エナジー初の取り組みであり、TOMATECにとっても電池由来の原料による熔成微量要素肥料の製造・販売は初めての試みとなるだろう。

両社は電池由来の微量要素肥料の活用拡大を目指し、資源循環と環境への取り組みを通じて農業の発展や社会課題の解決に貢献していく方針を打ち出している。パナソニック エナジーは使用済み乾電池の更なる効率的な回収方法と再資源化プロセスの研究・確立に取り組むことで、一次電池の資源循環モデルの構築を進めていくことになった。

乾電池リサイクルプロセスの概要

微量要素肥料について

微量要素肥料とは、植物の生育に必要な微量要素を含む肥料のことを指しており、主な特徴として以下のような点が挙げられる。

• 作物の成長促進と土壌のミネラル補給が可能
• 効率的な作物栽培と食料生産の安定化に貢献
• 土壌の健康維持に重要な役割を果たす

微量要素肥料には亜鉛やマンガン、鉄などの成分が含まれており、これらの要素は作物の健全な生育に不可欠となっている。パナソニック エナジー製の使用済み乾電池から抽出された成分を活用することで、資源の有効活用と持続可能な農業の実現に向けた取り組みが進められることになった。

乾電池由来の微量要素肥料に関する考察

パナソニック エナジーとTOMATECによる乾電池由来の微量要素肥料の開発は、資源の有効活用と環境負荷の低減という観点から画期的な取り組みといえる。使用済み乾電池の再資源化は、廃棄物削減と持続可能な農業の両立を実現する可能性を秘めており、今後の展開が注目されるところだろう。

しかしながら、乾電池由来の微量要素肥料の生産には、回収システムの効率化や品質の安定化といった課題が存在している。これらの課題に対しては、AIやIoTを活用した回収プロセスの最適化や、品質管理システムの高度化などが解決策として考えられるだろう。

今後は、乾電池由来の微量要素肥料の効果検証や安全性の確認を継続的に行いながら、農業分野での活用範囲を段階的に拡大していくことが重要となる。パナソニック エナジーとTOMATECの取り組みが、資源循環型社会の実現に向けたモデルケースとなることが期待される。

参考サイト

1. ^ PR TIMES. 「パナソニック エナジー乾電池由来の微量要素肥料を共同開発、使用済み乾電池を肥料原料にリサイクルするプロセスを確立 | パナソニックグループのプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000006062.000003442.html, (参照 24-12-22).

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