経済

ECONOMY

公開：2025-01-28

コスモエネルギーグループが国内初の国産SAFサプライチェーンを構築、2025年度から航空会社への供給開始へ

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• コスモエネルギーグループが国内初の国産SAFサプライチェーンを構築
• 2025年度から日本航空と全日本空輸へSAFの供給を開始
• 年間約3万キロリットルの国産SAF供給を目指す

国内エアライン向け国産SAFサプライチェーンの構築計画

コスモ石油マーケティングは、SAFFAIRE SKY ENERGYが製造する持続可能な航空燃料を2025年度から日本航空と全日本空輸へ供給開始することを2025年1月27日に発表した。国内で初めて大規模生産される国産SAFは、NEDOの助成事業として2021年に採択され、国際的な持続可能性認証を取得している。^[1]

国際民間航空機関が定める2050年までのCO2排出量実質ゼロ目標の達成に向けて、SAFの普及促進が重要な役割を果たすことが期待されている。2024年以降は国際航空分野におけるCO2排出量を2019年比で15%削減することが定められており、航空業界の脱炭素化が加速している。

コスモエネルギーグループは日揮ホールディングスとレボインターナショナルと共同でSAFFAIRE SKY ENERGYを2022年に設立し、国内の廃食用油を原料とした年間約3万キロリットルのSAF供給を目指している。2024年12月25日にはSAF製造設備が完工し、2025年度以降の本格的なサプライチェーン構築に向けて準備が整った。

国産SAFの製造設備概要

SAF（持続可能な航空燃料）について

SAFとは「Sustainable Aviation Fuel」の略称で、廃食用油などのバイオマス由来の原料から製造される持続可能な航空燃料のことを指す。主な特徴として以下のような点が挙げられる。

• 従来の化石燃料と比較してCO2排出量を大幅に削減可能
• 既存の航空機エンジンでそのまま使用可能
• 原料から製造までの全工程で持続可能性を確保

国際民間航空機関が定める環境目標達成において、SAFは航空分野における脱炭素化の重要な施策として位置付けられている。世界的な環境規制の強化に伴い、航空業界ではSAFの利用拡大が進められており、国産SAFの安定供給体制の構築が求められている。

国産SAFサプライチェーンに関する考察

国内初となる国産SAFサプライチェーンの構築は、航空業界の脱炭素化に向けた重要な一歩となるだろう。廃食用油を原料とすることで資源の有効活用が可能となり、環境負荷の低減と循環型社会の実現に大きく貢献することが期待される。

今後の課題として、SAFの製造コストの低減や原料となる廃食用油の安定的な調達体制の確立が挙げられる。さらなる技術革新や効率的な収集システムの構築により、これらの課題を克服することが重要だ。国内の航空会社との連携強化も不可欠である。

将来的には製造能力の拡大や新たな原料の活用も視野に入れる必要がある。航空需要の回復に伴いSAFの需要も増加すると予想されるため、安定供給体制の強化と製造技術の向上が求められるだろう。

参考サイト

1. ^ PR TIMES. 「コスモエネルギーグループ、2025年度より国内エアライン向けに国産SAFを供給　日本初となる国産SAFサプライチェーンの構築を実現 | コスモエネルギーホールディングス株式会社のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000181.000098598.html, (参照 25-01-28).

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