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3社が革新的放熱素材Thermalniteの実証実験に成功、小型電動車両の電力密度が1.5倍に向上

text: XEXEQ編集部
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)

3社が革新的放熱素材Thermalniteの実証実験に成功、小型電動車両の電力密度が1.5倍に向上

PR TIMES より


記事の要約

  • 革新的放熱素材Thermalniteを用いた実証実験に成功
  • 小型電動車両のインバーターで電力密度が1.5倍に向上
  • 高精度シミュレーション技術の共同開発を達成

Thermalniteを活用した小型電動車両の性能向上に成功

株式会社U-MAP、AZAPA株式会社、Future株式会社は、革新的放熱素材Thermalniteを活用した小型電動車両向け放熱部材の実証実験と高精度シミュレーション技術の共同開発を2025年2月12日に発表した。小型電動車両FUTURE board 2のインバーターにThermalniteを適用し、電力密度を約1.5倍向上させることに成功している。[1]

Thermalniteを添加したシリコーンゴム製放熱シートは、従来の放熱性樹脂と比較して優れた熱伝導性と高い機械強度を実現した。熱伝導度は5W/mKを達成し、機械強度は従来比4倍を実現しながら、0.1mmという超薄型化を実現したことで、放熱性能の大幅な向上につながっている。

従来のインバーターで使用されていたカプトンフィルムをThermalnite添加の放熱シートに置き換えることで、パワー半導体の温度上昇を効果的に抑制することが可能となった。さらに開発された電動車両シミュレーターにより、パワー半導体の温度変動を高精度に予測することが可能になっている。

Thermalniteの性能比較まとめ

項目 詳細
熱伝導性能 熱伝導度5W/mK
機械強度 従来比4倍
シート厚さ 0.1mm
電力密度向上 従来比1.5倍
使用温度上限 150℃

インバーターについて

インバーターとは、直流を交流に変換する装置のことを指しており、主な特徴として以下のような点が挙げられる。

  • バッテリーの直流電力を交流に変換してモーター駆動に使用
  • 家電製品から電動車両まで幅広い分野で活用
  • 放熱性が製品性能に大きく影響する重要部品

電動車両のインバーターには、パワー半導体と呼ばれる大電力を扱う半導体素子が使用されており、高い放熱性能が要求される。従来は放熱板とパワー半導体の接合部にカプトンフィルムが使用されていたが、熱伝導率が0.3W/mKと低く、性能向上の課題となっていた。

Thermalniteに関する考察

Thermalniteの開発成功は、電動モビリティの性能向上において画期的な breakthrough となる可能性を秘めている。従来の放熱材料と比較して圧倒的な性能を実現し、さらに0.1mmという薄さを維持しながら機械強度を4倍に高めたことは、実用化における大きなアドバンテージとなるだろう。

一方で、実用化に向けては量産時の品質安定性や製造コストの最適化が課題となる可能性がある。材料特性を最大限に活かすための構造設計の標準化や、異なる使用環境下での長期信頼性の検証も必要となってくるだろう。

今後は電動車両以外の分野への応用展開も期待される。特に、高性能コンピューターやデータセンター、産業機器など、放熱が重要な課題となっている分野での活用が見込まれるため、用途に応じた最適化研究の進展に注目が集まる。

参考サイト

  1. ^ PR TIMES. 「革新的放熱素材「Thermalnite」で小型電動車両の性能向上に成功! | 公益財団法人科学技術交流財団のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000004.000141557.html, (参照 25-02-14).

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