JDSCが電力データ管理協会に入会、AIによるフレイル検知技術の全国展開が加速へ

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

PR TIMES より

記事の要約

株式会社JDSCは、一般社団法人電力データ管理協会に入会しデータ利用会員となったことを2025年2月12日に発表した。電力データ管理協会は認定電気使用者情報利用者等協会制度に基づき電力データの有償提供サービスを実施している組織である。^[1]

JDSCは2020年より中部電力、合同会社ネコリコ、三重県東員町、東京大学と連携し、電力データ解析によるフレイル検知AI技術を開発してきた。この技術は電気使用量から外出回数や睡眠時間、活動量などの情報をAIが分析し、健康状態と要介護状態の中間に位置するフレイル状態を検知することが可能である。

さらに2021年には、多様なデータを活用したフレイル予防の新たなソリューション開発と社会実装を目指す「フレイル対策コンソーシアム」を設立している。電力データ管理協会への入会により全国の電力データが利用可能となり、より広範な展開が期待できるだろう。

フレイルとは、健康な状態と要介護状態の中間に位置する、高齢者特有の心身の脆弱性を示す状態のことを指す。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。

電力データとAIを組み合わせたフレイル検知技術により、高齢者の生活パターンを非侵襲的に把握することが可能となった。この技術は特に独居高齢者の見守りや介護予防において、効果的なツールとして期待されている。

電力データを活用したフレイル検知システムは、高齢者のプライバシーを確保しながら健康状態をモニタリングできる画期的な手法として注目に値する。従来の見守りシステムと比較して、カメラやセンサーの設置が不要であり、高齢者の日常生活に影響を与えることなく継続的な観察が可能となるだろう。

しかしながら、電力データの解析精度や誤検知の可能性、データセキュリティの確保など、いくつかの課題も存在している。特に複数人が居住する世帯での個人別の行動把握や、季節による電力使用パターンの変化への対応が今後の技術的な課題となることが予想される。

将来的には、他のIoTデバイスや医療データとの連携により、より包括的な健康管理システムへと発展することが期待される。フレイル対策コンソーシアムを通じた産学官連携の取り組みは、こうした課題解決と新たな価値創造に向けた重要な一歩となるだろう。

^ PR TIMES. 「JDSCが「一般社団法人電力データ管理協会」に入会～電力データ×AI で高齢社会の課題解決を加速～ | 株式会社JDSCのプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000119.000040467.html, (参照 25-02-14).

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