GoogleがVoice SIP Link対応地域を15か国に拡大、グローバルコミュニケーション基盤の強化へ

text: XEXEQ編集部
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GoogleがVoice SIP Link対応地域を15か国に拡大、グローバルコミュニケーション基盤の強化へ

記事の要約

GoogleがSIP Link対象国を15か国に拡大
APAC地域10か国とEMEA地域4か国、LATAM地域1か国が対象
SIP Link StandardとPremierライセンスの購入が必要

Google Voice向けSIP Linkの対象国が大幅拡大

Googleは2025年2月27日、Google Voice StandardとPremierユーザー向けのSIP Link機能の提供地域を15か国に拡大すると発表した。SIP Linkは、AudiocodesやCisco、Oracle、Ribbonなどの認定Session Border Controllers（SBCs）を通じて、ローカルキャリアの電話番号をGoogle Voiceで利用可能にする機能である。^[1]

新たに対象となる地域は、AP AC地域からオーストラリア、香港、インドネシア、イスラエル、マレーシア、ニュージーランド、フィリピン、台湾、タイ、ベトナムの10か国と、EMEA地域からフィンランド、ノルウェー、ルーマニア、南アフリカの4か国、LATAM地域からペルーの1か国となっている。対象地域の企業がSIP Linkを利用するには、新しいSIP Link StandardまたはSIP Link Premierライセンスの購入が必要だ。

Google Workspace管理者は、SIPトランクの設定と新しい電話番号のアップロード後、ユーザー、デスクフォン、自動応答システム、リンググループへの割り当てが可能となる。エンドユーザーによる追加の操作は不要で、2025年2月27日から15日間かけて段階的に展開される予定である。

SIP Link対応地域の拡大まとめ

地域	対象国	必要なライセンス
APAC	オーストラリア、香港、インドネシア、イスラエル、マレーシア、ニュージーランド、フィリピン、台湾、タイ、ベトナム	SIP Link Standard/Premier
EMEA	フィンランド、ノルウェー、ルーマニア、南アフリカ	SIP Link Standard/Premier
LATAM	ペルー	SIP Link Standard/Premier

Session Border Controllersについて

Session Border Controllers（SBC）とは、VoIPネットワークのセキュリティと相互運用性を確保するための重要なネットワーク機器のことを指す。主な特徴として以下のような点が挙げられる。

異なるVoIPプロトコル間の変換と互換性の確保
不正アクセスやDDoS攻撃からの保護機能
通信品質の監視と最適化の実現

Google VoiceのSIP Link機能では、AudiocodesやCisco、Oracle、Ribbonなどの認定SBCを使用することで、ローカルキャリアの電話番号をセキュアに統合できる。これにより企業は既存の電話システムを活用しながら、Google Voiceの機能を利用することが可能となる。

Google Voice SIP Link拡大に関する考察

Google VoiceのSIP Link機能の対象地域拡大は、グローバル企業のコミュニケーション基盤の強化という観点で重要な意味を持つ。特にAPAC地域の10か国への展開は、アジア太平洋地域でのビジネス展開を加速させたい企業にとって、既存の電話システムとGoogle Workspaceの統合を容易にする大きな機会となるだろう。

一方で、各国の通信規制や技術標準への対応が今後の課題となる可能性がある。特に新興国市場では、通信インフラの品質やセキュリティ要件が国によって大きく異なるため、SBCの設定や運用管理には慎重な対応が必要となるだろう。

今後はAIを活用した音声認識や自動翻訳機能との連携強化が期待される。多言語環境でのビジネスコミュニケーションを支援する機能の追加により、Google VoiceのSIP Linkはより強力なグローバルコミュニケーションプラットフォームとなる可能性を秘めている。