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【CVE-2025-27840】ESP32チップに29個の隠しコマンドが発覚、IoTデバイスのセキュリティに影響

text: XEXEQ編集部
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)


記事の要約

  • ESP32チップに29個の非公開HCIコマンドが発見される
  • CVE-2025-27840として重要度「MEDIUM」に分類
  • メモリ書き込みなどの制御が可能なコマンドを確認

ESP32チップの隠しコマンドに関する脆弱性が発覚

MITREは2025年3月8日、Espressif社のESP32チップに関する重要な脆弱性情報をCVE-2025-27840として公開した。この脆弱性は29個の非公開HCIコマンドの存在に関するもので、その中にはメモリ書き込みを可能にする0xFC02などの強力なコマンドが含まれていることが明らかになっている。[1]

この脆弱性はCVSS(共通脆弱性評価システム)のバージョン3.1において、重要度「MEDIUM」に分類され、スコアは6.8を記録している。物理的なアクセスが必要で攻撃の複雑さは高いものの、特権レベルが高く、ユーザーの関与なしで実行可能という特徴を持つことが判明した。

MITREの報告によると、この脆弱性はCWE-912(隠し機能)に分類されており、ESP32チップを搭載した機器のセキュリティに潜在的な影響を与える可能性がある。特に産業用制御システムやIoTデバイスなど、ESP32チップを使用している広範な機器に対して、セキュリティ上の懸念が指摘されている。

ESP32チップの脆弱性概要

項目 詳細
CVE番号 CVE-2025-27840
影響を受ける製品 Espressif ESP32チップ
脆弱性の種類 CWE-912(隠し機能)
CVSSスコア 6.8(MEDIUM)
非公開コマンド数 29個(0xFC02を含む)
公開日 2025年3月8日

HCIコマンドについて

HCIコマンドとは、Host Controller Interface(ホストコントローラインターフェース)コマンドの略称で、Bluetoothデバイスの制御に使用される重要な通信プロトコルである。以下のような特徴が挙げられる。

  • Bluetoothホストとコントローラ間の標準化された通信方式
  • デバイスの設定や状態管理を可能にする制御コマンド群
  • セキュリティ関連の重要な制御機能を含む

ESP32チップで発見された隠しHCIコマンドは、本来公開されるべき制御インターフェースが非公開のまま実装されていたことを示している。この事実は、ESP32チップを搭載した多くのIoTデバイスやBluetooth機器のセキュリティに重大な影響を与える可能性があるため、早急な対応が求められている。

ESP32チップの脆弱性に関する考察

ESP32チップの隠しHCIコマンドの発見は、IoTセキュリティの透明性という観点で重要な警鐘を鳴らしている。特にメモリ書き込みを可能にする0xFC02コマンドの存在は、攻撃者による不正なデバイス制御やデータ改ざんのリスクを示唆しており、産業用制御システムやスマートホームデバイスなど、幅広い領域での影響が懸念される。

今後予想される課題として、既に市場に出回っているESP32チップ搭載デバイスのファームウェアアップデートの実施が挙げられる。特に産業用機器など、即座のアップデートが困難なケースでは、ネットワーク分離やアクセス制御の強化など、代替的な保護措置の検討が必要になるだろう。

長期的な対策としては、チップ設計段階からのセキュリティレビューの強化やサードパーティによる検証プロセスの確立が望まれる。IoTデバイスの普及が加速する中、ハードウェアレベルでのセキュリティ透明性の確保は、業界全体の重要な課題となっていくことが予想される。

参考サイト

  1. ^ CVE. 「CVE: Common Vulnerabilities and Exposures」. https://www.cve.org/CVERecord?id=CVE-2025-27840, (参照 25-03-15).

※上記コンテンツはAIで確認しておりますが、間違い等ある場合はコメントよりご連絡いただけますと幸いです。

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