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公開：2025-04-10

IIJエンジニアリングがPTP時刻同期サービスType-Aを提供開始、白井DCCでナノ秒精度の厳密な時刻同期を実現

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• IIJエンジニアリングが白井DCCでPTP時刻同期サービス開始
• ナノ秒単位の高精度同期を容易に導入可能
• 金融(MiFIDⅡ)や映像(SMPTE2110)の要件に対応

IIJエンジニアリングが白井DCCで提供を開始したPTP時刻同期サービスType-Aの詳細

株式会社IIJエンジニアリングは、株式会社インターネットイニシアティブ（IIJ）の100%子会社としてネットワーク運用管理のアウトソーシングサービスを展開しており、2025年4月8日にIIJ白井データセンターキャンパス（白井DCC）において、ナノ秒単位の時刻同期精度を持つ「PTP時刻同期サービス Type-A」の提供を開始した。近年、金融サービス分野での取引の正確性に対する要求が厳格化し、映像制作や伝送分野でのIP化進展に伴い映像・音声同期の要件も高度化しており、従来のNTPでは満たせないマイクロ秒からナノ秒単位の精度を持つPTPによる時刻同期の重要性が増している状況だ。^[1]

高精度なPTP時刻同期の導入には、通常、衛星アンテナの設置や専用機材の調達、構築に関する初期コストが発生し、さらに公開情報が少ないPTP固有のパラメータ設定や動作検証といった技術的なハードルが存在していた。今回IIJエンジニアリングが提供するサービスは、白井DCC内に同社が構築したGNSSアンテナやPTPタイムサーバ、スイッチなどの専用設備と顧客のPTP対応サーバを構内配線で接続するだけで利用可能であり、顧客自身で設備を導入する場合と比較して初期コストを大幅に抑制し短期間での利用開始を実現する。

本サービスは、EUの金融規制MiFIDⅡや映像分野のIPネットワーク標準規格SMPTE2110などが要求する時刻同期要件を満たす、約400ナノ秒という高い時刻同期精度を参考値として実現している。また、サービス提供基盤となる白井DCC内の設備は冗長化構成を採用し、顧客への構内配線も2系統提供することで高い信頼性を確保しており、デフォルトプロファイルとしてIPネットワーク準拠の標準規格である「IEEE1588 - 2008 v2」を提供することで幅広いニーズに対応可能である。

PTP時刻同期サービス Type-Aの主な特徴

IIJエンジニアリングの公式サイトはこちら

PTP (Precision Time Protocol) について

PTPとは「Precision Time Protocol」の略称であり、IEEE1588規格として定義された、主にLANなどのローカルネットワークに接続されたコンピュータや機器間で高精度な時刻同期を実現するための通信プロトコルのことを指す。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。

• ネットワーク内の機器間でマイクロ秒からナノ秒単位の時刻同期が可能
• 従来のNTP (Network Time Protocol) よりも格段に高い精度を実現
• マスタースレーブ方式で時刻情報を配信し、遅延測定により精度を高める

PTPは、ミリ秒単位の精度であるNTPでは対応が困難な、より厳密な時刻同期が求められる分野でその重要性を増している技術である。例えば、参考文章で触れられている金融取引におけるタイムスタンプの正確性を規定するMiFIDⅡや、IPベースの映像伝送規格であるSMPTE2110では、マイクロ秒レベル以下の同期精度が要求されており、PTPの利用が前提となっていることが多いのだ。

参考サイト

1. ^ 株式会社IIJエンジニアリング. 「IIJエンジニアリング、白井データセンターキャンパスでナノ秒単位の時刻同期精度を持つPTP時刻同期サービスを提供開始」. https://www.iij-engineering.co.jp/news/pressrelease/20250408.html, (参照 25-04-10).
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