セキュリティ

SECURITY

公開：2025-04-26

【CVE-2025-3266】TinyWebServer 1.0でスタックベースバッファオーバーフローの脆弱性が発見、リモート攻撃の可能性あり

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• TinyWebServerにスタックベースのバッファオーバーフロー脆弱性
• CVE-2025-3266として識別された重大な脆弱性
• 遠隔から攻撃可能で公開済みのエクスプロイトが存在

TinyWebServer 1.0のスタックベースバッファオーバーフロー脆弱性

qinguoyi社が開発するTinyWebServerのバージョン1.0において、重大な脆弱性が2025年4月4日に公開された。この脆弱性は/http/http_conn.cppファイル内の機能に関連しており、name/password引数の操作によってスタックベースのバッファオーバーフローが発生する可能性があることが判明している。^[1]

この脆弱性はCVE-2025-3266として識別されており、CWEによる脆弱性タイプはスタックベースのバッファオーバーフロー（CWE-121）とメモリ破損（CWE-119）に分類されている。NVDの評価によると、攻撃元区分はネットワークであり、攻撃条件の複雑さは低いとされ、攻撃に必要な特権レベルは不要だが、利用者の関与が必要とされている。

CVSSスコアはバージョン4.0で6.9（MEDIUM）、バージョン3.1と3.0で7.3（HIGH）、バージョン2.0で7.5と評価されており、深刻度の高い脆弱性として認識されている。この脆弱性に対するエクスプロイトコードは既に公開されており、早急な対応が必要とされる状況だ。

TinyWebServer 1.0の脆弱性詳細

スタックベースのバッファオーバーフローについて

スタックベースのバッファオーバーフローとは、プログラムがスタックに確保されたバッファのサイズを超えてデータを書き込もうとした際に発生する脆弱性のことを指す。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。

• メモリ領域の境界を超えたデータ書き込みによる制御フローの破壊
• 任意のコード実行やプログラムのクラッシュを引き起こす可能性
• リモートからの攻撃に悪用される危険性が高い

TinyWebServerの事例では、http_conn.cppファイル内のname/password引数の処理において、適切なバッファサイズの検証が行われていないことが原因となっている。この種の脆弱性は、入力値の適切な検証やバッファサイズの制限、安全な文字列処理関数の使用などによって防ぐことが可能だ。

TinyWebServerの脆弱性に関する考察

TinyWebServerの脆弱性は、Webサーバーソフトウェアにおける基本的な入力検証の重要性を再認識させる事例となっている。特にバッファオーバーフロー脆弱性は古典的な攻撃手法でありながら、現代のソフトウェア開発においても依然として深刻な脅威となっているため、開発段階での慎重な設計とコードレビューが必要不可欠だ。

今後同様の脆弱性を防ぐためには、静的解析ツールの導入や定期的なセキュリティ監査の実施が効果的な対策となるだろう。特にオープンソースプロジェクトにおいては、コミュニティによる積極的なコードレビューと脆弱性報告の仕組みを整備することが重要である。

この事例を教訓として、Webサーバー開発においては入力値の厳密な検証とメモリ管理の徹底が求められる。特に言語レベルでのメモリ安全性が保証されていない開発言語を使用する場合は、より慎重なコーディングとテストが必要となるだろう。

参考サイト

1. ^ CVE. 「CVE Record: CVE-2025-3266」. https://www.cve.org/CVERecord?id=CVE-2025-3266, (参照 25-04-26).
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