東京理科大学が全結合型イジングマシンLSIシステムを開発、容量と精度の柔軟な拡張を実現

PR TIMES より
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記事の要約
- 東京理科大学がデュアルスケーラブル全結合型イジングマシンLSIシステムを開発
- 4ビット512スピンLSIチップを複数個使用し容量と精度を柔軟に拡張可能
- 2025年度から電気工学科3年生の学生実験に導入予定
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デュアルスケーラブル全結合型イジングマシンLSIシステムの開発
東京理科大学工学部電気工学科の河原尊之教授らの研究グループは、容量と精度の2軸に柔軟な拡張が可能な「デュアルスケーラブル全結合型イジングマシンLSIシステム」を2025年4月28日に発表した。同一のLSIチップを複数個用い1つのFPGAで制御することで、大規模な組合せ最適化問題の高速・低消費電力処理を実現している。[1]
開発されたシステムは2種類のデュアルスケーラブル全結合型イジングマシンとして実装され、DSAPS#1は2048スピン10ビット、DSAPS#2は1024スピン37ビットの構成を実現した。MAX-CUT問題では両システムとも最良解と比較して99%以上の精度を達成し、ナップサック問題ではDSAPS#2が正解を導き出すことに成功している。
研究成果は2025年3月21日に国際学術誌「IEEE ACCESS」にオンライン掲載され、2025年度からは東京理科大学工学部電気工学科3年生の学生実験に全結合型イジングマシンのLSI実装が導入される予定だ。半導体設計技術を実践的に学ぶ貴重な機会として期待が高まっている。
デュアルスケーラブル全結合型イジングマシンの性能比較
DSAPS#1 | DSAPS#2 | |
---|---|---|
スピン数 | 2048 | 1024 |
ビット幅 | 10ビット | 37ビット |
MAX-CUT問題精度 | 99%以上 | 99%以上 |
ナップサック問題 | 解なし | 正解を導出 |
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イジングマシンについて
イジングマシンとは、組合せ最適化問題を高速に解くために設計された専用計算機で、以下のような特徴を持つ。
- スピンと呼ばれる二値変数と相互作用を用いて問題を表現
- 全結合型構造により複雑な組合せ問題を効率的に処理
- 従来の総当たり方式と比べて大幅な計算時間の短縮が可能
組合せ最適化問題では、物流やネットワーク設計など様々な分野で活用されており、エネルギー最小化の原理を用いて解を探索する。全結合型イジングマシンは各スピン間の相互作用を考慮することで、より正確な解を導き出すことができるようになっている。
デュアルスケーラブル全結合型イジングマシンに関する考察
デュアルスケーラブル全結合型イジングマシンの開発は、エッジコンピューティングの新たな可能性を切り開く画期的な成果といえる。特に容量と精度の両面でスケーラブルな拡張が可能な点は、様々な組合せ最適化問題に柔軟に対応できる優れた特徴だろう。
今後の課題として、異なる問題に対する最適なビット幅の選定方法の確立が重要になってくる。MAX-CUT問題とナップサック問題での性能差が示すように、問題の特性に応じた適切なシステム構成の選択が求められるはずだ。
教育現場への導入は、次世代の半導体技術者育成において重要な意味を持つ取り組みとなる。実践的な学習環境の提供により、理論と実装の両面から専門知識を習得できる機会が増えることが期待できるだろう。
参考サイト
- ^ PR TIMES. 「全結合型イジングマシンLSIシステム、容量と精度のデュアルスケーラブル化に成功 ~社会のあらゆる組合せ最適化問題に挑む~ | 学校法人東京理科大学のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000165.000102047.html, (参照 25-04-30). 7753
- SAP. https://www.sap.com/japan/index.html
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