セキュリティ

SECURITY

公開：2025-05-11

【CVE-2025-1301】Yordam Informaticsの図書館自動化システムにXSS脆弱性、早急な対応が必要に

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• Yordam Informaticsの図書館自動化システムにXSS脆弱性
• バージョン21.6以前の全バージョンが影響を受ける
• CVSSスコア7.4のHigh深刻度の脆弱性

Yordam Informaticsの図書館自動化システムにおけるXSS脆弱性

トルコ共和国のコンピュータ緊急対応チーム（TR-CERT）は2025年5月2日、Yordam Informaticsの図書館自動化システムにおいてリフレクテッドXSS脆弱性を発見したと発表した。この脆弱性は【CVE-2025-1301】として識別されており、バージョン21.6より前のすべてのバージョンに影響を及ぼすことが判明している。^[1]

この脆弱性はウェブページ生成時の入力の不適切な無害化に起因しており、CVSSv3.1のスコアリングシステムでは7.4のHigh評価を受けている。攻撃者はネットワーク経由でアクセス可能であり、攻撃の複雑さは低いとされているが、攻撃を成功させるにはユーザーの操作が必要となるだろう。

脆弱性の影響範囲は限定的であり、主に情報の機密性に対する高い影響が懸念される。一方で完全性や可用性への影響は報告されていないが、システムの性質上、図書館利用者の個人情報や貸出履歴などのセンシティブな情報が危険にさらされる可能性が指摘されている。

CVE-2025-1301の詳細まとめ

クロスサイトスクリプティング（XSS）について

クロスサイトスクリプティング（XSS）とは、Webアプリケーションの脆弱性の一種で、攻撃者が悪意のあるスクリプトをWebページに挿入できる問題のことを指す。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。

• ユーザーの入力データが適切にサニタイズされずにWebページに出力される
• 攻撃者は被害者のブラウザ上で任意のスクリプトを実行可能
• セッション情報や個人情報の窃取などに悪用される可能性がある

Yordam Informaticsの図書館自動化システムで発見された脆弱性は、特にリフレクテッドXSSと呼ばれる種類に分類される。この種類のXSSは、ユーザーからの入力値がそのままWebページに反映されることで発生し、攻撃者は特別に細工されたURLを被害者に踏ませることで攻撃を成功させることが可能だ。

図書館自動化システムの脆弱性に関する考察

図書館自動化システムにおける脆弱性の発見は、教育機関のセキュリティ対策の重要性を改めて浮き彫りにしている。特に図書館システムは利用者の読書傾向や個人情報を扱う性質上、情報漏洩のリスクが高く、早急な対策が求められるだろう。

今後の課題として、パッチ適用後の互換性の維持や、既存の図書館業務への影響を最小限に抑えながらのアップデート作業が挙げられる。セキュリティ対策の実施により、一時的なシステムの停止や機能制限が必要になる可能性もあるため、図書館運営側との綿密な連携が不可欠となってくるだろう。

長期的な対策としては、定期的なセキュリティ監査の実施や、開発段階からのセキュリティ・バイ・デザインの導入が重要となる。特にWebアプリケーションのセキュリティテストを自動化し、新たな脆弱性の早期発見と対応を可能にする体制作りが望まれる。

参考サイト

1. ^ CVE. 「CVE Record: CVE-2025-1301」. https://www.cve.org/CVERecord?id=CVE-2025-1301, (参照 25-05-11).
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