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公開：2024-12-05

SBテクノロジーと日本ゼオンが秘密計算技術を活用したマテリアルズインフォマティクスの実証実験を開始、企業間データ連携の実現へ

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• SBテクノロジーと日本ゼオンが秘密計算技術の実証実験を開始
• 企業間でのデータ秘匿化と高精度AIの実現を目指す
• 実証実験は2024年12月末までの予定で実施

秘密計算技術を活用したマテリアルズインフォマティクスの実証実験開始

SBテクノロジー株式会社と日本ゼオン株式会社は、企業間での秘匿データ連携によるマテリアルズインフォマティスの実現を目指し、2024年12月3日より秘密計算技術を活用した実証実験を開始した。マテリアルズインフォマティクスは材料科学と情報技術を組み合わせて新しい材料の発見や開発を加速する技術であり、データ解析や機械学習を活用して材料の特性や性能を予測することが可能になるだろう。^[1]

ゼオンは2021年から実験データの構造化とAI開発を進めてきたが、自社データだけでは学習データ量が不足し予測精度の向上に課題があった。一方、SBテクノロジーは2022年より秘密計算技術の基礎研究を進めており、サプライチェーンや同一業界内での企業間データ連携の実現に向けて、ソフトウェア方式の秘密計算技術の検証と評価を行ってきたのである。

今回の実証実験では、ゼオングループ内の2社のデータで学習したAIモデルの物性予測性能向上が確認できたことを受け、TEEとWebシステムを利用した秘匿化された物性予測AIシステムの構築を目指している。SBテクノロジーがシステム全体のアーキテクチャ設計とTEEを含むインフラ構築を担当し、日本ゼオンがゴム業界の専門知識を活かしたアプリケーション開発を行うことになった。

秘密計算技術を活用した実証実験の概要

マテリアルズインフォマティクスについて

マテリアルズインフォマティクスとは、材料科学と情報技術を組み合わせた革新的な研究開発手法のことを指す。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。

• データ解析と機械学習による材料特性の予測
• 新材料開発の効率化と期間短縮
• 実験データの構造化による知見の蓄積

マテリアルズインフォマティクスは、従来の研究開発プロセスを大きく変革する可能性を秘めている。企業間でのデータ共有と秘密計算技術を組み合わせることで、より高度な予測モデルの構築が可能になり、材料開発の新たな展開が期待できるだろう。

秘密計算技術を活用したマテリアルズインフォマティスに関する考察

秘密計算技術を活用したデータ連携は、企業間での機密情報保護と共同研究開発の両立という観点で画期的な取り組みである。特にマテリアルズインフォマティクス分野では、データ量の確保が予測精度向上の鍵となるため、複数企業のデータを安全に活用できる仕組みの確立は大きな意義を持つだろう。

一方で、企業間でのデータ連携においては、データ形式の標準化やシステムの相互運用性の確保が技術的な課題となる可能性がある。また、データの品質管理や責任範囲の明確化など、運用面での取り決めも重要になってくるだろう。

今後は、実証実験の成果を踏まえた技術の標準化や、業界全体でのデータ連携の枠組み作りが求められる。特に、AIモデルの予測精度向上と企業の機密情報保護の両立は、材料開発分野における競争力強化の重要な要素になるはずだ。

参考サイト

1. ^ PR TIMES. 「SBテクノロジーと日本ゼオン、秘密計算技術を活用したマテリアルズ・インフォマティクスの実証実験を開始 | SBテクノロジー株式会社のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000596.000007357.html, (参照 24-12-05).

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