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公開：2024-12-11

エンバリオとフォードがXytronPPS採用のEGRシステムで自動車イノベーション賞を受賞、軽量化と性能向上を実現

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• エンバリオとフォードがSPEイノベーション賞で最優秀賞を受賞
• Xytron PPSによるEGRシステムの軽量化に成功
• 重量28%削減と性能向上を実現

XytronPPSを採用したEGRシステムの革新的な開発

エンバリオとフォード・モーター・カンパニーは、排気ガス再循環システム用部品の共同開発プロジェクトで第53回SPE自動車イノベーション賞を2024年12月に受賞した。革新的な熱可塑性樹脂Xytron PPSを採用することで、従来のステンレス鋼製部品と比較して重量を28%削減することに成功している。^[1]

Xytron PPSは最高200度の高温環境下でも安定した性能を発揮し、pH2.2という強酸性環境にも耐える優れた耐薬品性を備えている。この革新的な素材開発により、ガスケットやOリングなどの部品が不要となり、EGRシステム全体の簡素化と製造工程の効率化を実現することができた。

本プロジェクトではSogefiがEGRアセンブリの一次サプライヤーとして、Viking PlasticsがXytron PPS製EGRチューブの成形を担当した。自動車業界における環境負荷低減と性能向上の両立という課題に対し、4社の協力体制によって革新的なソリューションを提供することに成功したのである。

XytronPPS採用によるEGRシステムの特徴まとめ

排気ガス再循環システムについて

排気ガス再循環（EGR）システムとは、エンジンから排出される排気ガスの一部を吸気側に戻して再利用するシステムのことを指す。主な特徴として以下のような点が挙げられる。

• 窒素酸化物の排出量を削減し環境負荷を低減
• 燃焼温度を下げることでエンジンの効率を向上
• 排気ガスの浄化により車両の環境性能を向上

従来のEGRシステムではステンレス鋼製の部品が使用されており、重量や製造工程の複雑さが課題となっていた。XytronPPSの採用により、これらの課題を解決しつつ高温・強酸性環境下での耐久性も確保することが可能となり、自動車の環境性能と製造効率の両立に大きく貢献している。

XytronPPS採用EGRシステムに関する考察

XytronPPSを採用したEGRシステムの開発は、自動車産業における環境負荷低減と製造効率化の両立という課題に対する画期的なソリューションとなっている。従来のステンレス鋼製部品からの置き換えにより、重量削減だけでなく部品点数の削減も実現し、製造工程の簡素化にも大きく貢献することが期待できるだろう。

今後の課題として、XytronPPSの量産体制の確立と製造コストの最適化が挙げられる。高機能樹脂材料の安定供給と価格競争力の確保が必要となるが、自動車メーカーとの協力体制を強化することで、これらの課題を克服できる可能性が高いと考えられる。

将来的には、EGRシステム以外の自動車部品への展開も期待される。耐熱性と耐薬品性を備えたXytronPPSは、エンジン周りの他の部品への応用も可能であり、自動車全体の軽量化と環境性能向上に寄与する可能性を秘めている。

参考サイト

1. ^ PR TIMES. 「エンバリオとフォード、SPE Automotive Innovation Awards で「プラスチックの最も革新的な利用」賞を受賞 | エンバリオジャパン株式会社のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000007.000136041.html, (参照 24-12-11).

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