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【CVE-2024-56712】Linuxカーネルのudmabufにメモリリーク脆弱性が発見、システムリソースへの影響に注意

text: XEXEQ編集部
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)


記事の要約

  • Linuxカーネルのudmabufにメモリリークの脆弱性が発見
  • export_udmabuf()関数のエラー処理に問題があることが判明
  • dma_buf_fdの呼び出しを移動させることで修正を実施

Linuxカーネルのudmabufにメモリリーク脆弱性

kernel.orgは、Linuxカーネルのudmabufコンポーネントにおけるメモリリークの脆弱性【CVE-2024-56712】を2024年12月29日に公開した。この脆弱性は、export_udmabuf()関数でFDテーブルが満杯になった際にdma_buf_fd()が失敗すると、既に作成されたdma_bufがメモリリークを引き起こす問題である。[1]

メモリリークの原因は、udmabuf_create()のエラー処理においてudmabufを破棄する際に、包含するdma_bufに対する処理が行われていないことにある。これにより、ダングリングポインタを含むdma_bufがメモリ内に残留し、システムリソースの無駄な消費が発生する可能性が高まった。

修正対応として、dma_buf_fd()の呼び出しをexport_udmabuf()関数から移動し、エラー処理の改善を実施した。この脆弱性は、udmabufドライバーが導入されて以来存在していたが、コミット5e72b2b41a21によるfolio使用への変更後も残存していたことが確認されている。

udmabufの脆弱性対応バージョン一覧

項目 詳細
影響を受けるバージョン Linux 4.20から6.12.6まで
修正バージョン Linux 6.12.7以降、6.13-rc4以降
脆弱性ID CVE-2024-56712
影響範囲 メモリリークによるシステムリソースの浪費

メモリリークについて

メモリリークとは、プログラムが確保したメモリ領域を適切に解放せず、システムのメモリリソースが徐々に消費されていく問題のことを指す。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。

  • プログラムの実行中にメモリが解放されずに蓄積される
  • 長時間の稼働でシステムパフォーマンスが低下する
  • 最悪の場合、システムクラッシュを引き起こす可能性がある

Linuxカーネルのudmabufで発見されたメモリリークは、dma_buf_fd()の失敗時にdma_bufオブジェクトが適切に解放されないことが原因である。このような問題は、システムの長時間運用において徐々にメモリを消費し、パフォーマンスに影響を与える可能性が高い。

Linuxカーネルのudmabuf脆弱性に関する考察

今回の脆弱性修正は、Linuxカーネルのメモリ管理における重要な改善点となっている。システムのメモリ管理は安定性とパフォーマンスに直結する要素であり、特にudmabufのような低レベルのコンポーネントにおけるメモリリークは、長期的な運用において深刻な問題を引き起こす可能性が高いだろう。

将来的な課題として、同様のメモリリークを早期に発見するための静的解析ツールの改善が必要となるかもしれない。またドライバーのリファクタリングや機能追加時には、メモリ管理に関する徹底的なテストとコードレビューが重要となってくるだろう。

今後はudmabufドライバーの更なる安定性向上が期待される。特にfolioベースの新しいメモリ管理システムへの移行に伴い、より効率的なメモリ制御と安全性の確保が実現されることが望ましい。

参考サイト

  1. ^ CVE. 「CVE-2024-56712 | CVE」. https://www.cve.org/CVERecord?id=CVE-2024-56712, (参照 25-01-11).

※上記コンテンツはAIで確認しておりますが、間違い等ある場合はコメントよりご連絡いただけますと幸いです。

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