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【CVE-2024-57938】Linuxカーネルのnet/sctpモジュールで整数オーバーフロー脆弱性が発見、複数バージョンのアップデートが必要に

text: XEXEQ編集部
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)


記事の要約

  • Linuxカーネルでのオートクローズ整数オーバーフロー脆弱性を修正
  • SCTPアソシエーション初期化時の脆弱性に対応
  • 複数のLinuxバージョンに影響する深刻な問題を解決

Linuxカーネルのnet/sctpモジュールで整数オーバーフロー脆弱性

Linuxカーネルの開発チームは、SCTPプロトコルのアソシエーション初期化処理における重大な脆弱性【CVE-2024-57938】を2025年1月21日に公開した。この脆弱性は、max_autocloseパラメータがUINT_MAXに設定された場合にsctp_association_init関数で整数オーバーフローが発生する可能性があることが判明している。[1]

影響を受けるバージョンは複数存在しており、Linux 3.13以降の特定のバージョンで脆弱性が確認されている。特に、Linux 5.4.289から5.4系、5.10.233から5.10系、5.15.176から5.15系、6.1.124から6.1系、6.6.70から6.6系、6.12.9から6.12系のバージョンでは深刻な影響が懸念される。

対策として、複数のコミットハッシュを含むパッチが提供されており、9f70f46bd4c7267d48ef461a1d613ec9ec0d520cから特定のコミットまでの範囲で修正が行われている。開発チームは本脆弱性の修正を通じて、SCTPプロトコルの安全性と信頼性の向上に取り組んでいる。

Linuxカーネルの脆弱性対応バージョンまとめ

バージョン 詳細
影響範囲 Linux 3.13以降の特定バージョン
修正済みバージョン 5.4.289以降、5.10.233以降、5.15.176以降、6.1.124以降、6.6.70以降、6.12.9以降
対象コミット範囲 9f70f46bd4c7267d48ef461a1d613ec9ec0d520cから各修正コミットまで
公開日 2025年1月21日

整数オーバーフローについて

整数オーバーフローとは、プログラミングにおいて整数型の変数が扱える最大値を超えてしまう状態のことを指す。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。

  • データ型の上限値を超えると予期せぬ動作を引き起こす可能性
  • セキュリティ上の脆弱性につながる重大な問題となり得る
  • 適切な値の検証やより大きな整数型の使用で防止が可能

今回のLinuxカーネルの脆弱性では、SCTPプロトコルのアソシエーション初期化時にmax_autocloseパラメータがUINT_MAXに設定された場合に整数オーバーフローが発生する問題が確認された。この問題は、デフォルト設定ではINT_MAX / HZに制限されているものの、ユーザーが手動でnet.sctp.max_autocloseをUINT_MAXに設定することで発生する可能性がある。

Linuxカーネルのnet/sctp脆弱性に関する考察

今回の脆弱性修正は、デフォルト設定では問題が発生しない設計となっていた点が評価できる。しかし、カーネルパラメータの設定変更によって脆弱性が顕在化する可能性があったことは、システム設定の柔軟性とセキュリティのバランスについて再考を促す機会となるだろう。

今後は、システム管理者がカーネルパラメータを変更する際のバリデーション強化や、設定値の範囲チェックの厳格化が求められる。特に、整数型の境界値付近での動作については、より詳細なテストケースの追加や、静的解析ツールの活用による早期発見が重要になってくるだろう。

また、SCTPプロトコルの実装における他の潜在的な問題についても、継続的なコードレビューと脆弱性診断が必要となる。今回の事例を教訓に、カーネル開発コミュニティによる品質管理プロセスのさらなる強化が期待される。

参考サイト

  1. ^ CVE. 「CVE-2024-57938 | CVE」. https://www.cve.org/CVERecord?id=CVE-2024-57938, (参照 25-01-25).

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