セキュリティ

SECURITY

公開：2025-01-31

オルテナジーとEX4Energyが太陽光発電所向けセキュリティシステムを開発、モバイル専用網でサイバー攻撃対策を強化

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• オルテナジーとEX4Energyがモバイル専用網によるセキュリティ対策を実施
• 太陽光発電所の遠隔監視システム「ソーラーグリッドPPH」を開発
• シーエナジーのオンサイトPPAで実証実験を完了

モバイル専用網を活用した太陽光発電所のセキュリティ対策強化

株式会社オルテナジーとEX4Energy株式会社は、太陽光発電所のセキュリティ対策強化を目的としたPV監視システム「ソーラーグリッドPPH」を2025年1月30日に発表した。モバイル専用網を利用することで外部からのアクセスを遮断し、一般的なSIMと同等のコストで強固なセキュリティ対策を実現している。^[1]

昨年2024年には太陽光発電施設の遠隔監視機器約800台がサイバー攻撃を受け、インターネットバンキングによる不正送金被害が発生している状況を受けて開発された。経済産業省資源エネルギー庁は「エネルギー・リソース・アグリゲーション・ビジネスに関するサイバーセキュリティガイドライン」を改定するなど、セキュリティ対策の強化を推進している。

株式会社シーエナジーのオンサイトPPA（長野県上伊那郡）において実証実験を実施し、安全な通信環境の構築と実際の運用環境での動作性を確認した。同社の100kWの太陽光発電設備でファーウェイ製パワーコンディショナ50kW×2台を使用した実証により、モバイル専用網を活用した異常検知システムの早期商品化に向けた開発を進めている。

ソーラーグリッドPPHの概要

モバイル専用網について

モバイル専用網とは、携帯通信を使用して構築された組織専用のネットワークシステムのことを指す。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。

• 外部からのアクセスを完全に遮断可能
• 特定の組織内でのみデータ通信が可能
• 一般的なSIMと同等のコストで導入可能

太陽光発電所では不正アクセスやデータ改ざん、バックドアを通じたシステム乗っ取りなどのサイバー攻撃リスクが指摘されている。モバイル専用網を活用することで、外部からの不正アクセスを効果的に防止し、安全な通信環境を実現することが可能になるのだ。

太陽光発電所のセキュリティ対策に関する考察

モバイル専用網を活用したセキュリティ対策は、従来の監視システムと比較して高いセキュリティレベルを維持しつつ、コスト面でも優位性を持つ画期的なソリューションとなっている。特に太陽光発電施設における不正アクセスや不正送金の被害が現実のものとなっている現状において、このような対策の普及は急務となっているだろう。

今後は太陽光発電所だけでなく、他の再生可能エネルギー施設へのサイバー攻撃も増加する可能性があり、より包括的なセキュリティ対策が必要となってくる。モバイル専用網の技術をベースに、AIによる異常検知やブロックチェーンを活用した改ざん防止など、さらなる機能の追加も検討すべきだ。

エネルギーインフラのデジタル化が進む中、セキュリティ対策の重要性は今後さらに高まることが予想される。安全性と効率性を両立させた新たなソリューションの開発が望まれており、業界全体での知見の共有や標準化の推進も重要な課題となるだろう。

参考サイト

1. ^ PR TIMES. 「太陽光発電・蓄電所のセキュリティ対策を強化！モバイル専用網を活用したサイバー攻撃抑制実証を実施 | 株式会社オルテナジーのプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000006.000150368.html, (参照 25-01-31).
2. 経済産業省. https://www.meti.go.jp/index.html

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