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公開：2025-02-04

Synspectiveが経済産業省のグローバルサウス補助金事業者に選定、SAR衛星による鉱山モニタリング実証へ

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• Synspectiveが経済産業省のグローバルサウス補助金事業者に選定
• SAR衛星による鉱山施設モニタリング実証事業を開始
• 横河電機など3社と協業し鉱山災害の前兆を観測

Synspectiveの鉱山モニタリングソリューション実証開始

株式会社Synspectiveは経済産業省の令和5年度補正「グローバルサウス未来志向型共創等事業費補助金」に採択され、2025年2月より鉱山施設向けSAR衛星モニタリングの実証事業を開始した。南アフリカやブラジルなど5カ国を対象に、横河電機、Insight Terra、SRK Consultingと協力し、鉱山開発による災害の前兆を効果的に観測可能なSARデータソリューションの実証を実施することになったのだ。^[1]

グローバルサウスの多くの国で鉱業は主要産業となっており、世界有数の鉱業会社の売上は年間数兆円から数10兆円規模に達している。しかし鉱山資源の採掘には崩落や土砂崩れのリスクが伴い、特にテーリングダムは地盤変動の影響を受けやすく、その崩壊は周辺環境に重大な影響を及ぼす可能性があるだろう。

SAR衛星を活用したモニタリングは、現場に機器を設置することなく広域な地表面の変動をミリ単位で検出することが可能である。Synspectiveは将来的に小型SAR衛星「StriX」のコンステレーションによる時系列InSAR解析技術を用いて、世界最高頻度での鉱山モニタリングサービスの提供を目指すことになった。

鉱山モニタリングソリューションの特徴

テーリングダムについて

テーリングダムとは、鉱山の選鉱や金属製錬で発生した不用な鉱物を無害化処理した後に貯留し、水分と固形分に分離して固形分を堆積させる施設のことを指す。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。

• 地盤変動や不安定性の影響を受けやすい構造
• 崩壊時に周辺環境へ重大な影響を及ぼす可能性
• 継続的な安定性モニタリングが必要な施設

テーリングダムの崩壊事故は深刻な被害をもたらすことがある。実際に2019年1月にブラジルで発生したテーリングダム決壊事故では270人もの犠牲者が出ており、周囲の環境にも大きな影響を及ぼすことになった。このような事故を防ぐためにも、継続的な監視が重要となる。

SAR衛星モニタリングに関する考察

SAR衛星による鉱山モニタリングは、従来の地上設置型センサーと比較して広域かつ高精度な観測が可能という利点がある。特にミリ単位での地表面変動検出能力は、鉱山施設の安全管理において画期的な進展をもたらすことが期待される。ただし、データの解析精度や通信遅延などの技術的課題への対応が今後の重要な焦点となるだろう。

鉱山モニタリングの需要は今後さらに高まることが予想され、特にグローバルサウス諸国での展開が期待される。環境保護や地域経済の発展、国際的なエネルギー転換という観点からも、持続可能な鉱山開発を支援する技術としてSAR衛星の活用は重要性を増すことになるだろう。

StriXのコンステレーションによる高頻度観測の実現は、鉱山災害の予防において大きな転換点となる可能性がある。リアルタイムに近い監視体制の構築により、早期警戒システムの確立や効率的な保守点検計画の策定が可能となり、鉱山運営の安全性向上に貢献することが期待される。

参考サイト

1. ^ PR TIMES. 「Synspective、令和5年度補正「グローバルサウス未来志向型共創等事業費補助金」に係る間接補助事業者に決定 | 株式会社Synspectiveのプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000071.000052943.html, (参照 25-02-04).
2. 経済産業省. https://www.meti.go.jp/index.html

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