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公開：2025-02-15

NTT東日本が通信用光ファイバによる地中空洞検知プロジェクトを始動、路面陥没の早期発見に期待

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• NTT東日本が通信用光ファイバによる地中空洞検知を開始
• 既設の光ファイバを活用し路面下の振動特性変化を検知
• 自治体との共同検証体制の構築を目指す

通信用光ファイバによる地中空洞検知プロジェクト始動

NTT東日本は地下に埋設されている通信用光ファイバを活用して路面下の空洞を検知する実証プロジェクトを2025年2月13日より開始した。未使用の通信用光ファイバ回線を用いることで新たなセンサの設置が不要となり、路面下の振動特性変化を速やかに検知することが可能になっている。^[1]

同社はMMSやドローンなどの技術を活用し、インフラ管理における課題解決に取り組んできた経緯がある。路面下の空洞は重大事故につながる恐れがあり、年間1万件以上発生している道路陥没の早期発見に向けて、地下2m以上の深い地点の空洞検知の実現性を検証するプロジェクトを立ち上げることになった。

検証プロジェクトでは、NTTアクセスサービスシステム研究所と連携し、大学などの研究機関とともにデータ分析を実施する。自治体との共同検証体制を構築し、空洞の存在が疑われる場合には現場調査を協働で行い、実際の空洞有無を確認していく予定だ。

光ファイバセンシング技術の特徴まとめ

光ファイバセンシングについて

光ファイバセンシングとは、光ファイバ自体をセンサとして活用し、振動や温度などの物理量を検知する技術のことを指す。以下のような特徴が挙げられる。

• 光ファイバケーブル自体がセンサとして機能
• 電源供給が不要で広範囲の監視が可能
• 地中の振動特性を高精度で検知可能

光ファイバセンシング技術は、トンネル掘削工事における振動影響範囲の可視化や豪雪地帯における道路除雪の判断などでも実証実験に成功している。NTT東日本は地下インフラの維持管理における課題解決に向けて、この技術の活用範囲を拡大していく方針だ。

通信用光ファイバによる地中空洞検知に関する考察

光ファイバセンシング技術を活用した地中空洞検知は、既存のインフラを活用する点で非常に効率的なアプローチといえる。道路陥没による事故防止や早期発見につながる可能性が高く、自治体との連携によって実用化への道筋が開かれることが期待できるだろう。

一方で、振動データの解析精度や誤検知への対応、天候や地質による影響の評価など、実用化に向けては多くの課題が存在する。これらの課題に対しては、研究機関との連携による解析技術の向上や、自治体との協働による実証データの蓄積が重要になってくるだろう。

今後は光ファイバセンシング技術の応用範囲が更に広がることが予想される。インフラの老朽化対策や防災・減災の観点から、この技術が果たす役割はますます重要になっていくはずだ。

参考サイト

1. ^ PR TIMES. 「通信用光ファイバを用いたセンシング技術による地中空洞検知プロジェクトの始動 | 東日本電信電話株式会社のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001110.000098811.html, (参照 25-02-15).

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