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キオクシアが生成AI向け大容量122.88TB SSDを発表、第8世代BiCS FLASHの2Tbit QLCダイ採用で高密度化を実現

text: XEXEQ編集部
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)


記事の要約

  • キオクシアが生成AI向け122.88TB SSDを発表
  • 第8世代BiCS FLASHの2Tbit QLCダイを採用
  • 2.5インチ型フォームファクタでPCIe 5.0対応

キオクシアが発表した生成AI向け大容量SSD「KIOXIA LC9」シリーズの詳細

キオクシアは生成AI向けの大容量ストレージソリューションとして、122.88TBの容量を持つNVMe SSD「KIOXIA LC9」シリーズを2025年3月14日に発表した。このSSDは第8世代BiCS FLASHの2Tbit QLCダイを採用したキオクシア初のNVMe SSDで、2.5インチ型のフォームファクタを採用している。[1]

KIOXIA LC9シリーズは大規模言語モデルやデータセット学習、ベクターデータベースなどの生成AIシステムに最適化された設計となっており、PCIe 5.0インターフェースとデュアルポート対応により高い耐障害性と柔軟な接続性を実現している。また低容量SSDと比較して容量当たりの密度が高く消費電力も抑えられているため、システムやラックの効率向上に貢献する。

KIOXIA LC9シリーズは2025年1月に公開されたベクトルデータベース向けソフトウェア「KIOXIA AiSAQ」と組み合わせることで、高度な生成AIシステムの構築が可能となり、RAGを使用した推論の回答精度やデータベースの拡張性向上にも寄与する。耐久性は0.3 DWPDを実現し、NVMe 2.0やNVMe-MIにも準拠している。

KIOXIA LC9シリーズの主な仕様まとめ

項目 詳細
記憶容量 122.88TB
フォームファクタ 2.5インチ型
インターフェース PCIe 5.0、NVMe 2.0、NVMe-MI準拠
耐久性 0.3 DWPD
フラッシュメモリ BiCS FLASH 第8世代2Tbit QLC
主な特長 デュアルポート対応、CBA技術採用、高密度・低消費電力設計

QLC技術について

QLC(Quad-Level Cell)は、1つのメモリセルに4ビットのデータを格納できるフラッシュメモリ技術であり、大容量化とコスト低減を実現する重要な技術である。以下に主な特徴を示す。

  • 1セルあたり16種類の電圧レベルで4ビットを表現
  • 高密度化による大容量化と低コスト化を実現
  • 読み書き速度とセル寿命のバランスを考慮した設計が必要

QLCはTLCと比較して書き込み速度や耐久性が低下する傾向にあるが、大容量データの保存に適しており、生成AIシステムのような大規模データ処理において重要な役割を果たす。キオクシアのBiCS FLASH第8世代では、CBA技術の採用により高性能と低消費電力を両立している。

大容量SSDの生成AI分野への展開に関する考察

生成AIの発展に伴いデータ量が急増する中、KIOXIA LC9シリーズのような大容量SSDの登場は、高度なAIシステムの構築における重要な技術的基盤となることが期待される。特にRAGを活用した推論精度の向上や、大規模言語モデルの学習データ管理において、高速なデータアクセスと大容量ストレージの組み合わせが不可欠になるだろう。

今後はさらなる大容量化と高速化が進むことで、エッジコンピューティングやオンプレミス環境での生成AI活用が加速する可能性がある。また消費電力の効率化やデータセンターの密度向上により、環境負荷の低減とコスト削減の両立も期待できるだろう。

DRAMに依存しないベクターデータベースの実現は、メモリコストの削減と拡張性の向上につながる画期的な技術革新となる。KIOXIA AiSAQとの連携により、より柔軟で効率的な生成AIシステムの構築が可能になることが見込まれる。

参考サイト

  1. ^ KIOXIA. 「生成AI向け大容量122.88 TBのエンタープライズSSD「KIOXIA LC9シリーズ」の開発について | KIOXIA - Japan (日本語)」. https://www.kioxia.com/ja-jp/business/news/2025/20250314-1.html, (参照 25-03-17).

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