【CVE-2025-21844】Linuxカーネルのsmbクライアントに重大な脆弱性、null pointer dereferenceの危険性が判明
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記事の要約
- Linuxカーネルのsmbクライアントに脆弱性が発見される
- receive_encrypted_standard()関数にnull pointer dereference問題
- Linux 6.7以降のバージョンで深刻な影響の可能性
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Linuxカーネルのsmbクライアント脆弱性【CVE-2025-21844】の発見
kernel.orgは2025年3月12日、Linuxカーネルのsmbクライアントにおいて重大な脆弱性【CVE-2025-21844】を公開した。この脆弱性はreceive_encrypted_standard()関数においてnext_bufferのチェックが不十分であることに起因しており、cifs_buf_get()とcifs_small_buf_get()の戻り値を適切に検証していないことで、null pointer dereferenceが発生する可能性があることが判明している。[1]
この脆弱性の影響を受けるバージョンは、Linux 6.7以降の特定のバージョンに限定されることが確認されている。Linux 5.10.235以降の5.10系、5.15.179以降の5.15系、6.1.130以降の6.1系、6.6.80以降の6.6系、6.12.17以降の6.12系、6.13.5以降の6.13系、および6.14-rc4については、この脆弱性の影響を受けないことが報告されている。
kernel.orgはこの問題に対する修正パッチを複数のコミットを通じて提供しており、f277e479eea3d1aa18bc712abe1d2bf3dece2e30をはじめとする7つの異なるコミットハッシュで修正が行われている。これらの修正により、next_bufferに対する適切なチェックが実装され、null pointer dereferenceの脆弱性が解消されることになった。
Linux 6.7における脆弱性の影響範囲まとめ
バージョン | 影響の有無 | 対応状況 |
---|---|---|
Linux 6.7 | 影響あり | パッチ適用必要 |
Linux 5.10.235以降 | 影響なし | 対応不要 |
Linux 5.15.179以降 | 影響なし | 対応不要 |
Linux 6.1.130以降 | 影響なし | 対応不要 |
Linux 6.6.80以降 | 影響なし | 対応不要 |
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null pointer dereferenceについて
null pointer dereferenceとは、プログラムが無効なメモリアドレス(NULLポインタ)にアクセスしようとする際に発生する深刻なプログラミングエラーのことを指す。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。
- プログラムのクラッシュや異常終了を引き起こす可能性がある
- メモリ破壊やセキュリティ上の脆弱性につながる可能性がある
- 適切なポインタチェックによって防止可能な問題である
今回のLinuxカーネルの脆弱性では、smbクライアントのreceive_encrypted_standard()関数において、バッファ取得関数の戻り値チェックが不十分であることでnull pointer dereferenceが発生する可能性が指摘されている。この問題は特にネットワーク通信を介したファイル共有システムで発生する可能性があり、システムの安定性とセキュリティに影響を与える可能性がある。
Linuxカーネルの脆弱性対応に関する考察
Linuxカーネルの脆弱性対応における迅速な修正パッチの提供は、オープンソースコミュニティの強みを示している。特に今回のケースでは、複数のバージョン系統に対して個別の修正コミットが用意されており、各ディストリビューションの状況に応じた柔軟な対応が可能となっているため、運用中のシステムへの影響を最小限に抑えることができるだろう。
しかしながら、今後同様の脆弱性が発見される可能性を考慮すると、コードレビューのプロセスをより強化する必要があるかもしれない。特にメモリ管理やポインタ操作に関連する部分については、静的解析ツールの活用やセキュリティチェックリストの拡充など、予防的なアプローチを強化することが望ましいだろう。
また、Linuxカーネルの開発においては、セキュリティ機能の強化と開発の効率性のバランスを取ることが重要な課題となっている。今後は、AIを活用したコード分析やセキュリティテストの自動化など、新しい技術を積極的に導入することで、より効率的な脆弱性対策が実現できると考えられる。
参考サイト
- ^ CVE. 「CVE: Common Vulnerabilities and Exposures」. https://www.cve.org/CVERecord?id=CVE-2025-21844, (参照 25-03-17).
※上記コンテンツはAIで確認しておりますが、間違い等ある場合はコメントよりご連絡いただけますと幸いです。
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