八千代エンジニヤリングと愛媛大学がAI川ごみ監視システムPRIMOSを開発、2025年4月から提供開始へ

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

PR TIMES より

記事の要約

八千代エンジニヤリング株式会社と愛媛大学は、河川表面のプラスチックごみを自動検出・分類するAIシステム「PRI MOS」を2025年4月14日より提供開始する。従来のRIADシステムではできなかったごみの種類の特定が可能となり、プラスチックごみの流出状況をより正確に把握できるようになった。^[1]

PRIMOSはYOLOv8インスタンスセグメンテーションモデルを活用し、飲料ボトルや食品容器、買い物袋などの使い捨てプラスチックを高精度で検出することが可能である。従来の目視による調査では課題となっていた労力やコスト、観察者のスキル依存といった問題点が解消され、より客観的なモニタリングが実現した。

本システムはWEBサービス形式で提供され、河川の動画をアップロードするだけでごみの輸送量を自動算定できる仕組みとなっている。建設コンサルタントや環境調査会社、学術機関、自治体、環境保護団体など、幅広い利用者層を想定している。

項目	詳細
提供開始日	2025年4月14日
開発企業	八千代エンジニヤリング株式会社、愛媛大学
主な機能	河川表面のプラスチックごみの自動検出・分類
使用技術	YOLOv8インスタンスセグメンテーションモデル
特徴	高水位時でも安定した検出が可能、WEBサービス形式での提供
想定利用者	建設コンサルタント、環境調査会社、学術機関、自治体、環境保護団体

YOLOv8インスタンスセグメンテーションモデルとは、物体検出とセグメンテーションを高速かつ高精度に実行できるAIモデルのことを指す。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。

PRIMOSでは、このYOLOv8の特徴を活かし、河川表面に浮かぶプラスチックごみの種類や量を正確に把握することが可能となっている。従来のRIADシステムと比較して、より詳細な分析と高精度な検出を実現し、環境保全活動における効果的なデータ収集を支援している。

PRIMOSの開発は、河川を経由した海洋プラスチックごみ問題に対する具体的な解決策として高く評価できる。AIによる自動検出・分類機能により、従来の人手による調査の課題を解決し、より正確で効率的なモニタリングが可能となった点は、環境保全活動における大きな前進となるだろう。

一方で、システムの精度向上や誤検知への対応、異常気象時の運用方法など、実運用における課題も考えられる。これらの課題に対しては、利用者からのフィードバックを基にした継続的な改善や、AIモデルの定期的な更新による検出精度の向上が必要となってくるだろう。

また、収集したデータの活用方法や他システムとの連携など、PRIMOSの活用範囲をさらに広げていく余地がある。環境保全活動の効果測定や政策立案への活用、さらには国際的な環境保護活動との連携など、システムの発展性に期待が持てる。

^ PR TIMES. 「AIで川ごみを自動検出・分類する新システム「PRIMOS」を共同開発 | 八千代エンジニヤリング株式会社のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000097.000133910.html, (参照 25-04-16).

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